April 8, 2017

言葉を定義するって難しい

犬のしつけとはまったく関係がないのですが
トレーナー馬場は、最近登山にはまっています。

山用語にも興味が出てきたころ
「山のことば辞典」という本を見つけました。
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「山のことば辞典」
豊田和弘(著)
河出書房新社
2014年出版
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登山関連の雑誌や本を見ていると「山行」という言葉がよく出てきます。
意味はなんてことはなく「山歩き」のことを指す言葉です。

ただし、私は「山行」が読めなくて「さんぎょう?」「三行?」と変換していくうちに何を書きたかったのか忘れてしまったことがあります。
「山行」は「さんこう」と読むことを、この辞典で初めて知りました。

この辞典の著者は学校の試験で「芥川龍之介」を「茶川龍之介」と書き間違えたことがあるそうです。
『芥川龍之介は「穂高岳(長野県の山)」のことを「穂高山」と呼び名を変えて文芸作品に登場させているのになぁ…』とひとりごちる(本ですが)物言いになんだか親近感を抱かせる辞典です。

辞典って、改めて考えるまでもなく「言葉の定義」を伝える役割のある本です。
犬に関する辞典ならば
言葉の説明をしますが、時として言葉とは状況を「問題かどうかの区分け」をするためのツールなのでは…と思います。

・この犬のこの行動が問題行動か正常な行動か?
・健康か病気を患っているか?
・肥満か健康体か?
・あの犬は可愛いか、ぶちゃかわか?
(最後のは悪ふざけです。ごめんなさい!)

言葉には境界線がある…。
言葉の定義、つまり境界線が分かればすべてが解決するわけでは決してないけれど
わかっていない「困ったこと」よりは
意味が分かる「困ったこと」の方がきっと取り組みやすいことは多くなります。

また犬と生活している際に
耳慣れない言葉が出てきて
もしそれを「自分のボギャブラリー」の1つに加えてみたいなと思ってみたら
その言葉を身近に感じてみるのは面白いです。

そこで動物行動学の本を1冊お奨め(唐突ですが)
させて下さい。
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「アニマルラーニング―動物のしつけと訓練の科学」
中島 定彦 (著)
ナカニシヤ出版
2002年5月(出版)
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例えば「強化」という言葉を耳にしたり
雑誌で目にした飼い主さんはきっと多いはずです。
この「強化」は「褒める」こととは厳密には意味が異なります。

さて何が違うのか。それはご自身の目で確認してみてはいかがでしょうか。
Googleの検索結果で出てくるたくさんの情報よりも
シンプルにまとめてある本ですので、お奨めです。