August 15, 2017

ホテルに預ける?シッターに預ける?一緒につれて行く?

トレーナーの馬場です。
お盆休みも今日で終わり。
お出かけされた家庭も多いかもしれません。

お出かけの際、おうちのワンコさんをホテルに預けることに悩んだ方へ。
次のお休みに向けての準備、少し考えてみませんか?

預かり先でまったく問題がない子もいますが、環境の変化に過敏な子は
・トイレを我慢してしまう。
・食欲が落ちる。
・おなかを壊す。
そうしたことも起こりえます。

環境の変化が苦手なワンコが少しでも落ち着けるために、事前に預かり練習の時間を設けてみるのはいかがでしょうか。実際に預けなければならない時に、急に環境が変わるのは、預ける飼い主さんも不安ですが、犬たちも緊張します。

お泊り練習の他には、検討中のホテルの周辺を愛犬を連れて一度お散歩してみるのもよいかもしれません。
楽しくお散歩できる場なら、預かり時も楽しい時間を確保しやすそうです。
意外にも、自宅付近のお散歩コースよりも楽しく歩けることが発見して
「よし!家の付近でも新しい散歩コースを見つけてみよう」と別の楽しみが見つかる場合もあります。

預ける際には
・うちの犬はこういう性格で
・こういうことが苦手で
・こういう行動をとることがある
とホテルのスタッフの方に伝えて下さい。
預かる立場からすれば、どういう子かきちんと伝えてくれるのはとても助かります。
もちろん、普段の体調もお知らせして下さい。

ホテルの代わりにシッターを利用される飼い主さんもおられます。
そういう私もシッターの仕事を請け負っています。

夏場は、ご自宅での留守番でも停電が心配なため、熱中症対策を飼い主さんと相談したうえで受けさせていただいています。飼い主さんのご帰宅後、「ご機嫌で迎えてくれました」の電話をいただくと、ほっと一息がつけます。

さて、シッターやホテルお預けが必要なのは
「犬を連れていけない場への特別なお出かけのため」の場合が多いと思います。
ですが
私はシッターで行くおうちには、ある共通の課題があることに先日気が付きました。

偶然かもしれないのですが
私が行ったおうちの9割のワンコさんの基本情報の中で
☑車酔い
にチェックがされていました。

もし、車酔いの課題が克服できたのなら、ホテルやシッターを利用しないで
「一緒に旅行に行く」という選択肢もあるのかもしれない。

そこで、今日のコラムは車酔いについてです。
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車酔いには、いくつかの原因があります。
・単純に経験不足(最初から、長距離に挑戦してしまった)
・車に乗った後は、嫌なことばかり起きている
・無理やり車に乗せられるので「ここから出して欲しい」と慌てているため、気持ち悪くなってしまう
・緊張から動き回ってしまうので酔ってしまう
・お出かけのわくわく感から動き回って酔ってしまう

単に経験不足な場合は
パパさんがお休みの日にも車酔い克服に取り組めそうです。

近所にワンコが喜んで歩く公園があれば、その公園に5分ドライブし、公園を30分お散歩し、5分ドライブして帰宅し、経過を観察してみてもよいと思います。5分の帰宅の際、疲れて寝そべっているようであれば、帰宅時のドライブを10分、15分と長めにしていくこともできるでしょう。

ですが、車に乗ること自体を嫌がったり、抱っこされると暴れてしまったり、車内でじっとすることが苦手な場合、別のステップが必要になってきます。今現在、車に対しての「反応」がすでに構築されてしまっているからです。

この「別のステップ」は「逆拮抗付け」と呼ばれるトレーニングです。

すでに苦手な事柄に対して
異なる反応を引き出すためのトレーニングで

物音が苦手(吠えたり、突進したりする)
お手入れが苦手(咬もうとする)
他の犬が苦手(吠えたり、突進したりする)
な時、その苦手なものに
「ワンコが好きなもの」「嬉しいもの」を対提示する方法です。

例えば、少し苦手な耳掃除や爪切りに対して、フードが使ったトレーニングが効果的だったワンコは、このトレーニングが「正しくできた」状態です。
ですが、ここで疑問を持った人もいるはず。

「耳掃除の後に毎回おやつをあげているけど耳掃除をしようとすると咬もうします」

こんな疑問は浮かびましたか?
もしそうなら「うまくできなかった」状態もあるということ。

一度苦手になっているものに対しての「リハビリ」トレーニングは
動物のボディランゲージを読み取りながら
反応が出ないぐらい小さな刺激」から段階を重ねて次のステップに進みます。

車酔いの例で言うなら、車で何度も嫌な経験を重ねたワンコを
車に100回乗せてみても落ち着けるとは限りません。
かと言って、車を避け続けて
予防注射の時以外に車に乗らないのもよい選択肢ではありません。


苦手克服の最初のステップは
できる基礎トレの繰り返しです。
・止まることと
・物を楽しく放すこと
・名前を呼ばれたときに振り向けるようになること

これは多分、テニスの素振りや、バスケットのドリブル練習に似ているし
ダンスの基礎ステップにも似ています。
ルーティンになったことは、考える前に体が動くようになりますが
馴れるまでは、ぎこちない動きにです。

実は「止まる(苦手なものに反応しない)」ことも
最初は「考えながら-ぎこちない」ものが
馴れてくると「考えずに-反応しない」ことができるようになります。



私は昨年末より「苦手克服のための預かりトレーニング」の仕事の依頼を受けています。
「飼い主さんが取り組むトレーニング」という方針に矛盾するかもしれない…。
それでも苦手克服は2つの方向からの取り組みでもよいのではと考えました。


ここで話しはずれてしまうのですが
ダンスの基礎は姿勢だそうで、先日その「姿勢の作り方のコツ」を聞きました。

姿勢をよくするためには
背筋を伸ばし胸を張るべきなのかな?と私は思っていたのですが
足裏を地面にきちんとつけて踏ん張ること、がよい姿勢には不可欠だそうです。
足を踏ん張ると、それに引っ張られるようにして背筋も伸びるそう。

今できることと、やりたいことの橋渡しをするのがトレーニングであるなら
小さな基礎トレの積み重ねは、普段の生活を引っ張ってくれるはず
そういう思いから「預かりトレ」始めてみました。

次の長期休みに向けて、トレーニングはじめてみませんか?