June 4, 2015

子供が苦手なワンコさん

小さい子供との対面は

住宅街で生活する「家庭犬」にとって
避けては通りずらいもの。

ですが
走ったり
高い声でしゃべったり
はたまた
イヌが予測しづらい動きをする子供に対して

「少し苦手・・・かも・・・」と感じているワンコさんは少なくありません。


当初
「ちょっと苦手・・・」だったものが

月日を重ねる毎に
子供に馴れてしまうワンコもいれば
子供を見ただけでも大パニックになってしまうワンコもいるかもしれません。

馴れることを「馴化」と言います。
反応が過敏になっていくことを「鋭敏化」と言います。

2つのまったく異なる結果を導く状況ですが

多くの場合
私たち飼い主の意図は同じです。

子供を見ても大騒ぎしたり、吠えたり、怖がったりしないで!
-「普通に」していてほしい-

つまり、馴化の方を意図しています。


さて
うまく馴化する場合と
鋭敏化が起こってしまう場合の
違いはなんでしょうか。

野球のバッドを持っている男の子
ランドセルを背負って走る女の子
大きな声でお友達の名前を呼んでいる女の子

などを1つ1つの「外的刺激」としてとらえてみると

そのワンコにとっての
大きすぎる(絶対に受け入れられない!)「刺激」が続くと「鋭敏化」

大きすぎない(受け入れられそうな)「刺激」が続くと「馴化」
が起こります。

刺激が大きすぎるかそうでないかの区別は
人間目線では判断しづらいのが
「馴化」を意図しているのに「鋭敏化」が起こってしまう一因なのかもしれません。


こういう状況になった時に
またはなる前に

ワンコ自身が
「苦手な対象」から「落ち着いて距離をコントロールする」スキルを知っていること
は役立ちます。

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小学生の男の子限定で苦手で吠えてしまうという
ミニチュアダックスのワンコの例をお話しします。
5歳の男の子です。

このワンコさんの場合は

最初は
落ち着いてUターンする形づくりから練習しました。

慌てて道を変えたり
リードをぐいぐい引っ張って連れ戻すのではなく
ダックス君本人が「選んだ行動」としてのUターンの練習です。

練習をしている時
飼い主さんが
おやつで釣って動かすのとは、違うんですね
と感想を言われたことが印象的でした。

苦手なものがある時
ワンコがおやつを追いかけて動けるのであれば
おやつで誘導しても構わないと思います。

しかし
すでに過剰に吠えてしまっている・・・
呼吸も急激に早くなっている・・・
おやつを見せても、苦手な相手がいると食べないワンコもいるのではと思います。
だからこそ、できるようになるとすごく便利なUターン。

ダックス君は
「自分で選んだ行動」に対して
自信をもった様子です。

というのも
昨日
お散歩で歩く緑道で
男の子がいてもママの方を見てすれ違うことも
できてきたたそうで。

思わずガッツポーズをする私を
少し怪訝そうに、うちの愛犬が眺めています。