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2026年7月21日

愛犬の「苦手」はゼロにはできない…それでも調整できる

こんにちは。トレーナーの馬場由紀子です。

普段は、愛犬のお散歩やお留守番、愛犬との旅行準備のお手伝いをする仕事をしています。

愛犬が「嫌なこと」をうっかり見過ごしてしまう と、せっかくのおいしいおやつが「これから嫌なことする?」愛犬に疑われる前触れになってしまう

訪問レッスンでお伺いするようになって15年経ちますが、多くの飼い主さんは、私がこのことをお伝えする前に

・愛犬が身体を掻く動作

・あくびをする動作

・そっぽを向く動作

など小さな不安サイン(カーミングシグナルとも呼ばれます)に気付いています。

 

「おやつのタイミングちょっと失敗しました

「今の練習は、この場面でやってよかったでしょうか?」

飼い主さん自身が普段の取り組みや、実際のお散歩での対応に自信をなくしていることもあるかもしれません。

 

ここでお伝えしたいのは「失敗しない方法」ではありません。愛犬の「不安サイン」に気づいた、その後どうするかというお話です。

 

実は、愛犬が嫌なことを繰り返し経験してしまうのは、飼い主さんのせいではありません。犬は私たちが思っている以上に、周りの情報を同時に受け取ってしまうからです。

お散歩で「犬が苦手」なコの場合を挙げると

 

近づいてくる犬だけでなく

自転車の音。

知らない人の動き。

地面の感触や匂い。

遠くで聞こえる救急車の音。

隣に立つ飼い主さんの呼吸。

飼い主さんのつま先の向き。

 

私たちが気に留めないようなことも、犬にとっては大きな情報になることがあります。そんな状態で「おやつを食べて」「飼い主さんを見て」と求められると、愛犬は情報を整理できずに戸惑ってしまう場合があります。

 

だからこそ大切なのは、無理に頑張るのではなく、犬が安心して考えられる環境を作ることです。

 

おやつには2つの大切な役割があります。

動作を作る「誘導」のおやつと、犬の気持ちを作る「安心サイン」のおやつです。

 

例えば、苦手な犬が近づいてきた時。

おやつを使って方向を変えたり、安全な距離まで移動したりすることは、犬を守る大切なサポートです。これは、犬に「安全な道すじ」を作ってあげるための誘導。

 

もう1つの「安心サイン」は、犬がまだ周囲を見る余裕がある時に「大丈夫」というメッセージとして届けるものです。犬を動かすことが目的ではなく、おやつを通して「大丈夫だった経験」を増やすことが目的です。

 

同じおやつでも、役割が異なる点を再度お伝えしているのは、「不安サイン」だけに目を配るのではなく「犬が安心して受け取れる瞬間」にも気づいてほしいからです。

おやつは「行動できたからあげる」だけではありません。

犬が周りを見る余裕がある時に

「大丈夫」
「安心していいよ!」

を伝えるためにも使えます。

そのタイミングを見つける場として、私はお散歩の時間やお家での簡単な練習を提案しています。

疲れさせてぐっすり寝るは、時として大事。ですが、運動だけを目的にしないで

「今、愛犬はどう感じているかな」
「安心サイン使えるかな」

と観察する時間は、意外に身近に転がっています。

 

犬は、安心できる状態だからこそ周りを見ることが、新しいことに挑戦することができます。

最後に昨日お家にお伺いした飼い主さんからのことばを紹介させて下さい。

「このコが安心できる環境を作るために、私たちができることは思っていたよりもずっと多かったんですね」

2026年2月11日

情報が多すぎると、うまく行動できない

こんにちは。トレーナーの馬場由紀子です。わたしは普段、愛犬の室内マナーや、お留守番トレーニング、お散歩練習のお手伝いをしています。

トレーニングの仕事を始めた頃、私は犬に「言葉の指示」に抵抗がありました。
どうして抵抗があったのかを改めて考えてみたのは、私の職業を知ったある知人が、言った言葉がきっかけでした。


「犬のトレーニングですか?オスワリ!とかハウス!とか言うと、犬が動くわけですね?」

私は違和感を感じて、でもその違和感を口にできないままでした。

飼い主さんの中にも「トレーニングとは、飼い主が犬に指示をすること」だと思っていたとおっしゃる方がいます。開業当初、私は「犬が犬らしくいれることが一番だから、しつけをしたくなかったんです」と言われ、どう伝えたら目的を共有できるか…と頭を悩ませまていました。

「トレーニング」と「犬らしく」は本来は対立するべきものではないはずなのに、どうしてそんな誤解が生まれてしまうんだろうか、と。


わたしたちが時折口にする

「来客がいなければ落ち着いています」
「早朝のお散歩では人に会わないから困らないのだけど」

は、愛犬の周りには多すぎる「情報」があって、愛犬が困っているだけな時があります。

情報過多は、最近私達の身の回りにもよく起こっています。
無料の情報は山ほどあって、有益な情報も手軽に手に入る。でも、情報が多すぎるからこそ、どれを選んだらいいかがわからなくて、結局行動できなかったり、間違った行動を選んでしまったりすることは、人間でもあるのではないでしょうか?

「来客」や「お散歩時に会う人」は愛犬にとっての多すぎる「情報」の1つと仮定してみて下さい。これらの情報の波に飲まれて、どの行動を選択したらいいかわからなくなっている時、飼い主さんが「こうしてみたら?」と提案できるのは、決して軍隊みたいな「指示」ではないはずです。

「指示でできる行動」と「自主的行動」は、一方が「上位」で他方が「下位」なわけでなくて、状況に応じてどちらも活用できるものです。


わたしは相棒犬と動作の練習も好きですが、一番しあわせなのは、相棒犬とひなたぼっこするお昼休み、相棒がしたいことをしてる時間です。

冬でも昼間はぽかぽかの芝生。
芝生に背中から寝転がっていた相棒は、上空の音に顔をむくりとあげました。私も並んで空を見上げると、かすかに聞こえる音と共に、飛行機が横切っていくのが見ました。

2025年12月11日

「がんばらないとできないこと」と、がんばらなくてもできること

 こんにちは。トレーナーの馬場です。

愛犬のお散歩やお留守番、来客対応の練習のお手伝いをしています。

 

12月に入ると、気忙しく、いつもよりせかせかと動き、あれもこれもと予定を詰めて、さらには大掃除に年末年始の準備をがんばっている方も多いのではないでしょうか?

 

年末にやり残したことをなくそう…の気持ちは私も毎年この時期感じます。ただ、12月まで残った課題は「がんばらないとできない」と私自身が思い込んでいるものも実は多いんです。

 

今日は、私自身が知人に言われてうーむ…と唸ったことを1つ紹介させて下さい。

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120%の出力で働いているように見えるけど、たぶん100%部分をやめて20%の力で取り組んだら、きっともっとうまくいくんじゃないかな」

これは、私が実際に知人に言われた言葉で、今の私を形作っている、大事な言葉です。

 

「…私が頑張って取り組んでいることって無駄ですか?」

私は言いそうになったその言葉を飲み込みました。それでもそのヒトがどうしてそう言ったか、ぼんやりと気づいた私は「今無理してやっていること」を口に出しました。

 

私は、人前で話すことは得意ではありません。グループレッスンは今も苦手。

11の個別レッスンで結果を出すことはできても、複数の人に説明する時には、まだ慌てることがあります。ご家族で参加して頂く時も、全員に説明というよりは、キーパーソンが取り組みやすいことを伝え、ご家族の方の練習は、その方経由で行伝える方がうまく行くことに最近気づきました。

 

「全員に伝えよう!」ということは、以前の私が120%の力を注いで…結果を出せていなかったことです。

一方で20%でできることは、そのキーパーソンの方がうまくいくためにできる方法を、いくつも用意することです。私は「これをやってみたい」「あれをやってみたい」「これなら簡単♪」を見つけることは、得意です。

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私がお話した状況は、犬の問題行動に取り組む飼い主さんにも当てはまります。

犬の問題行動、吠える、咬む、家具を齧るなどの課題を抱えている飼い主さんは「放っておけばこの行動はなくなるから放っておこう」とは考えません。

 

どうしたらこの問題を解決できるだろうか…?

もっと頑張ればなんとか解決できるだろうか…?

私がやらなければ、このコを幸せにできないから頑張るんだ。

 

「頑張らないと問題は解決しない」という焦りは、犬に間違った情報を伝えてしまう。

その例を2つ挙げさせて下さい。

 

1つ目は、頑張っている時、ヒトは無意識に急いで動きます。素早い動きは犬を興奮させやすく、できる行動までできなくしてしまいます。例えば、拾い食いを防ごうとする時、あなたは犬に拾わせまいと急いで物を拾い上げませんか?お庭で犬が匂いを嗅いでいる時に草を齧りそう…と、慌てて駆け寄って愛犬を抱き上げていませんんか?

 

2つ目は、頑張り過ぎている時、ヒトは犬の表情をうまく読み取れずに、違う解釈をしてしまうことがあります。本当は怖がっているのに我儘だと感じる状況だけでなく、怖がっていないのに怖がっていると思ってしまう状況もあります。

 

犬が本当にどう感じているのか…

私たちには実際のところは分からない分、一旦立ち止まって状況を見直す時間は必要です。そのためには、頑張ってやっていることに気づいてみて下さい。頑張ってやっていることを一旦辞めたら「一番簡単な練習」を継続できるはずです。

 

さて「簡単な練習」の話に戻る前に、今すぐにやってほしいことがあります。

今愛犬と行ってみたい場所を1つ思い浮かべてみて下さい。いつも行く定番の場所でも、行くのが未だ不安な場所でも構いません。「行先」や「会ってみたい人」を決めることは、レッスンを受けることや本やSNSで学ぶことよりもきっと大事なことと馬場は思ってます。

 

2025年11月13日

1つの行動は、別の行動とつながってる

 こんばんは。トレーナーの馬場です。

普段は愛犬のお散歩課題、室内マナー、お留守番練習のお手伝いをしています。

毎年慌ただしく過ぎていく年末のこの時期。
今年こそ、余裕をもって過ごそうと思って取り組んだことが1つあります。
それは、大掃除を11月から始めること。

実は、大掃除って大きな仕事ではなく、小さな小さな「作業」の集まりです。
ただ、たくさんあるので取り掛かるのが億劫になりがちなだけで、やり始めると意外に楽しい。特に、窓周辺の掃除、床周辺は、普段目が行き届いていない分、やったらやっただけ変化があるのが面白い。

お天気のいいお休みの日、お隣さんが2階のベランダで窓拭きを始めました。

「風がない日にやっつけちゃおうと思ってね」

お隣さんがキビキビ動く様子を見ていて、私も窓掃除についに取り掛かることに決めました。窓全部がピカピカにならなくても、カーテンだけなら洗えそうです。

2階のカーテンをレールから外すと
「内窓だけでも拭こうかな」
と気持ちが動きました。

内窓がきれいになると、窓の桟の埃にも目がいきます。
「ざっとでいいから、ウェットティッシュで桟も拭いちゃおう」

洗ったカーテンを再度レールにかけていると、ふと網戸にも目がいきました。
「網戸2枚なら洗えそう」

大掃除って多分、一度に同じ作業をした方が効率がいいから年末にされる方が多いのだと思います。でも、全部をやるのは、私はしんどい。特に寒い時期に水を使った掃除は始めることが一番大変だったりします。

なので、途中で中断できるよう、部分部分の掃除に分けて取り組んでいて、今年は大掃除がちょっぴり楽しい時間になっています。

窓掃除以外で楽しかったのは、部屋の「巾木」部分の埃掃除。
巾木とは、壁と床の境界にある部材で、掃除機やキャスターなどがぶつかって壁紙を傷つけるのを防いでくれるものだそうです。

犬のトレーニングも、問題行動に対してのレッスンも終わらないとしんどい…と思って始められない方もいるかもしれません。ならば「終わりを決めてみる」ことこそしてみましょう。

レッスンであれば、決められた時間のレッスンを終了したら、一旦レッスンは終了します。ところで愛犬との生活課題はこれからも続きます。この時、トレーニングに取り組む前に「その日のトレーニングの終わり」を決める、言い換えると「トレーニングを一旦中断」することができると、飼い主さんにとっての負担がぐんと減ります。

「トレーニングの中断」をするために、1つ提案したいのは、犬にとって簡単な動作を1つ決めること。例えば、トレーニングの始まりと終わりの「オスワリ」。行動のパターンが決まって来るだけで、次の動作、お部屋でごろんと寝転んだり、横向きになって熟睡したりといった行動につながる道すじが作りやすくなります。

大掃除も
犬のトレーニングも
いつ中断しても困らないコツを見つけていくこと。

大掃除に関して言えば、私は

・小さい雑巾を複数用意すること(古い衣服を利用)
・1つの場所に取り組むのにかかる時間を測ること
を実行中。

使い終わった、小さい雑巾は、洗わずポンと捨ててしまいます。窓ふきも、1枚拭くのにかかるおおよその時間が分かると、部屋の半分だけで中断する時に「全部終わらなかった…」と自分にがっかりすることが減るような気がします。

年末のドタバタに気持ちが引っ張られないように私自身も精進中です!

2025年7月31日

初挑戦の心構え

こんにちは!トレーナーの馬場です。

私は、家庭犬の室内マナー、トイレトレーニング、お散歩練習、お留守番課題のお手伝いをする仕事をしています。

今日お話しするのは、初挑戦に関する心構えは「まずやってみる」ということ。

今年の6月、私は初めて梅仕事をして楽しい♪と感じました。
梅干しづくりはカビが心配…手順が分からない…道具がない…となかなか挑戦できなかったのですが、友人の一言で決行が決まりました。

友人が教えてくれた梅干しづくりの手順は5つ。

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・梅を洗って、水に漬ける。

・水気を拭きとるのをさぼらない。

・塩は10%で。

2倍の重さで重しをする。

・焼酎はちょっぴり。ただし35度を選ぶ(25度はダメ)
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収穫時期が分からない…といつ動き出そうと悩んでいたのが「明日がいいよ!」と言われて即実行。焼酎もサイズや度数がいろいろあるのを「35度で。量は200mlでいいよ」と言われて、迷わず買い物カゴへ。

 

スーパーの売り場では、焼酎って実はいくつもあるんです。梅仕事をたくさんするなら、大きいサイズの方がお買い得。でも、初めて挑戦する私にとっては躊躇するサイズです。度数も20%やら25%やらいろいろあって、度数低くてもいいのかなぁと思っていました。

 

「間違いたくない」という気持ちと、「きちんとやるのも面倒」の2つの気持ちを言い当てられたかのように、てきぱきと言われたことをそのまま行動に移しました。


 

さて、7月に入った34℃を越える猛暑のある日、私は梅を干しました。干し網に並べて外に出ると、陽射しがジリジリと照り付けています。

初めて作った梅干しの出来はというと…カリカリな梅干しができあがりました。収穫時期は間違っていなかったのですが、塩漬けにする前に黄色くなるまでは待つステップが抜けていたようです。



収穫後1日は梅が黄色くなるのを待ってみたのですが、どれぐらいが「正しい黄色?」と悩むぐらいなら漬けてしまえ!と前日の勢いで塩漬けにしてしまったのです。

初挑戦の梅干しは、成功とは言い難いですが、カリカリ梅とゆかりのおにぎりが、うちの作り置きごはんに加わりました。完熟梅でない梅干しの出来が心配でまだ人にあげることはできないことがちょっぴり悔しいですが、ひとまず「最初の失敗」が無事に済みました。

どんなことでも初めて取り組む時に「失敗したくない!!」と気にして動き出せないことありませんか?

失敗しないために、あらかじめ調べたり、準備をしたりすることはもちろん大事で、私の梅干しづくりももう少し丁寧に調べていたら、きっと失敗はしなかった…かもしれません。

ただ、今年の暑さでぐったりしている自分が「完璧に調べてから取り組むべし!」と決意していたら、実行しなかったのではと思います。まずは、1個失敗(ただし、食中毒などの事故を起こさないで)できたことは、最初の一歩として大きいのです!(たぶん…)

梅干しづくりの時にも、相棒犬は馬場の隣にいました。家庭犬のトレーニングでレッスンを受けられる方は、「特別なスキル(競技会の参加やオフ会などへの参加)」を目標にされる方もいますが、何よりも「日常の何気ない何か」を共有できることを目標にしてみて下さい。
そのための、小さな挑戦を一緒に見つけていきましょう。
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物を見る

物から離れる
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小さな経験の積み重ねこそが、普段の生活で愛犬が「飛びつかない」室内マナーを学ぶのに役立ってきます。

相棒犬は、私が梅仕事の手順を教わっている間、私たちの足元にいたミノムシが、動くのを見つめていました。落ち葉の前で踊る相棒犬に首を傾げて見ていた友人は、ミノムシに気が付いてふっと笑みをもらしました。(余談ですが、ミノムシさんは無事です)