December 13, 2018

あらためて・・・災害対策を考えてみる

私は先日の動物取扱業の研修での講義の1コマを聴講しながら
災害対策について改めて考えてみました。

災害が起こると
「災害対策をしなくては…」
「食料と水を備蓄しなくては…」
と考えるのだけれど

少し時間が経つと日々の忙しさに追われて
つい忘れてしまう。

災害というと、ぼんやりと…でもとてつもなく大きい課題には
私達は「よしやろう!」と取り組むことに
少し躊躇してしまうこともあるのだと思います。

でも今すぐできることもあります。

その1つが所有者明示。
つまり迷子札と狂犬病予防注射済みの鑑札を「犬が身に着ける」こと。
また、マイクロチップに関しては、登録や連絡先の変更があった時の更新を怠ると所有者明示のツールにならない点にも、注意が必要です。

災害の一番の問題は、いつ起こるかわからないという点。
傍にいれば、同行避難ができますが
万が一留守の時に起きたら、ということも想像してみてほしいのです。
想像するのは、怖いけれど、今まであったことには、少し目を通してみて下さい。

以下は、私が講義で学んだ今までの大きな災害の沿革です。
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1995年の阪神淡路大震災
人とともに、9300頭の犬猫が被災した災害。
動物を救援するためのボランティアや募金、義援金を運営するための団体が立ち上がったのはこの災害後です。

2000年の有珠山(うすざん)噴火
この災害では、300頭以上の動物が取り残され、同行避難の必要性について、注目が集まった。

2000年の三宅島噴火
島民とともに250頭の動物が島から避難した。
しかし、島に残された地域猫のうち、避妊去勢がされていなかった猫たちがいたため猫の数が異常に増えてしまう問題が起こった。

2004年の新潟中越地震
被災人口は10万人、被災動物は5000頭。同行避難した動物も多かったが、避難所には入れず、車中避難によるエコノミー症候群が問題になる。

2011年東日本大地震
推定11500頭の動物が被災したと言われるが、正確な数は分かっていない。
1ヶ月に渡る立ち入り禁止区域では、残されて餓死した動物も多い。
また、保護した動物の所有者がわからずに、飼い主の元に戻れなかった動物も多かった。

2016年の熊本地震
車中避難をしていた被災者や被災動物たちの、エコノミー症候群と熱中症対策が課題となった。同行避難後のペットの受け入れができる避難所が多くないという課題が浮き彫りとなる。
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まずは、所有者明示から。
それから少しずつ、「クレート」練習や「車に乗る」練習
などにも取り組んでいきましょう。

特にクレートに関しては
「敷居が高い(難しい)練習ですよね?」と思われていたり
「犬を閉じ込めて我慢させる」練習と誤解されることがあるのですが
そうではなくて、普段のお散歩から始まる楽しいトレーニングとして取り組んで欲しいです。

飲食料の備蓄
ハザードマップ作り
避難先の確保
など、災害対策は突き詰めていくとどんどんタスクが増えていくかもしれません。
だからこそ、今すぐできることから始めることが大事です。