「ピーマンのスープっておいしい…」
先日ピーマンは、丸ごと食べることができる野菜だと知り、ピーマンを種ごと刻んで煮込んだスープを作りました。一緒に入れた野菜は新玉ねぎと特売で安かった人参。少しのクミンと塩コショウ、それからカレー粉を放り込みます。
以前はヘタと一緒に種を取り除いて「空っぽの野菜」として使っていたピーマン。ある時、丸ごと焼いて、お浸しにすると美味しいと教えてもらいました。ほんの少し油をひいたフライパンでゆっくり焼いたピーマン。表面がちょっぴり焦げて、くたっとなったら醤油を少し。甘みがあって、中の種も何の違和感もなく食べられます。今まで捨てていた種、もったいないことをしたなぁと思ってしまう美味しさです。
焼いたピーマンとは違い、煮込んだピーマンだと種から少し辛みが出るのか、カレー風味のスープによいアクセントになります。休みの日はカレーの香りが漂うと、私はなんとなく落ち着きます。
「いい匂い…」と思わず鼻をひくひくさせたら、テーブル横の長座布団を枕にして寝ていた相棒犬が寝返りをうちました。
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犬のトレーニングの一番の秘訣は何かと聞かれたら
おいしいものを食べて
たくさん歩いて
ぐっすり寝ること
と私は答えると思う。
もちろん、それだけだったら、トレーナーの仕事は必要なくなっちゃうだろうけれど
ぐっすり寝るコはその場で安心できているわけだし
ごはんをしっかり食べることも、極度に不安な場所ではできない行動です。
犬と暮らす時、何はなくても、その2つの点だけでも、意識することは大切だと思います。
こんなことを考えたのには、少しきっかけがあります。先日お伺いしたトイプードルの飼い主さんは、愛犬の食が細いことに頭を悩ませていました。
「食が細い」ワンコの特徴には
実は「食べ物がものすごく好き」という一見矛盾する状況が時々見られます。
食べ物が好きなので、飼い主さんは、食べ物を使って熱心にトレーニングに取り組むことが多い。特にトイプードルは「子犬のうちにお手入れ練習を完璧に!」と焦る飼い主さんもおられるのではと思います。
ただ、食べ物が好きなワンコは、時としてがんばり過ぎてしまうことがあります。
言い換えると、食べ物はほしいけど、練習は楽しくない…。そんな状況に陥っている子犬と飼い主さんのペアは、決して少なくないと思うのです。
今現在、お手入れ練習をがんばりっている子犬の飼い主さんには「やらなければいけないことリスト」をくしゃっと丸めてゴミ箱に入れ、まず子犬の様子を見る時間をとって下さい。
例えば、お家のワンコにこんな様子はありませんか?
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・ごほうびのおやつを食べるときにガツガツ歯が手に当たる
・食べ終わった後に、そっぽを向いてその場を離れる
・ごほうびのおやつをもらう時に、普段よりも目がぱっちり(目を大きく開いてる)
・練習を始める準備をすると、鼻鳴きが目立つようになった
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一見すると、練習に意欲的に見えることもあるこれらの「反応」は、もしかすると子犬のSOSサインかもしれません。本来ごはんやおやつは、楽しく食べることが先で、練習はその次に出てくるもの。
忙しい私たちは、お仕事が休みの日にすべての課題を片付けなければいけない。時間は待ってくれないからと。
でも、子犬との生活は、実は15年や20年も続くものなんです。10日以内にお手入れ練習を完璧にだなんて考えは、今すぐに捨てて大丈夫です。私たちが、子犬に伝えたいのは「あなたの家は安全な場所だよ」ということ。
お手入れが今できなくても、美味しいごはんが食べられて、のんびり寝ていたら飼い主さんが横でほっこりする。そんな場所をまず作りましょう。そこには、まず「見守る時間」が必要。そして個人的な意見ですが「見守る時間」には、煮込み料理と相性がよいですよ。