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2024年8月27日

様々な生き物をみていて気付く「犬のトレーニング」のコツ

柚子の葉を食べて日に日に成長している不気味な色の芋虫を眺める朝。

初めて遭遇した時は、私が「ひぇっっ」と悲鳴あげて、相棒犬を驚かせたこの芋虫は、アゲハ蝶の幼虫です。正体が分かった後は、そのままその木に住まわせて、羽化するのを見てみたいと期待して観察していました。

 

ある朝、柚子の苗木の葉は一枚もない。棘だけの痛々しい姿になっていました。3匹いた幼虫はいません。蛹の姿もない。

 

「食い逃げだ!」

残念ながら、羽化する姿を見られませんでしたが、庭の芝生で寝転ぶ相棒犬の傍をアゲハ蝶がふわふわ飛ぶ様子は、今年はよく見る気がします。

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毎日の厳しい暑さで、屋外では犬のトレーニングに取り組むことが全くできません。

レッスンでは、室内での課題に置き換えていますが、もともとお散歩が好きなワンコたちの飼い主さんはもどかしい思いをされているとひしひしと感じます。

 

私もそのひとりです。相棒犬との山登りに全く行くことができない今年の夏は「椅子ヨガ」で体力づくりをして秋に備えています。椅子ヨガは、単にストレッチを椅子に座ってするだけですが、呼吸を丁寧に行えるので、この時期お奨めです。

 

椅子ヨガをしていて、相棒犬の動きを何気なく観察していると面白いことに気づきます。それは、犬も人間もそして虫も、同じ場所にいる時も、ちょっと違った「行動」を選択しているということ。

 

相棒犬は、マットで寝そべることが多いコです。
朝ごはんを期待してわくわくしている時は顔をぐいっと持ち上げて寝そべっていますが、椅子ヨガをする飼い主を眺めている時は横向きに寝転び、しばらくすると頭がマットからずり落ちます。

暑くなればマットから降りて、顔(といより耳の端っこしか乗ってない)だけマットに乗せて床に寝そべる。うん、我が家の相棒犬は寝相が悪いんです。…という話ではなく、対象物(マット)に対しての「犬の体が触れている箇所」が違うことに注目してほしいんです。

 

違う例で言えば、テラスドアに対して「飛びつく」行動の時、その犬の前肢はテラスドアにぶつかりますが、「外を眺める」行動であれば前肢はぶつかりません。外の物音を気にしている時なら、何かに飛びついていなくても、顔の向きは窓の外に向いていていますが、もちろん外を見ないで涼しい室内の風に目を細めている時間だってあるはずです。

 

私たちが、犬のトレーニングをする時、あまり意識していないと「目立つ行動」だけに注目しがちです。でも、そうではない時間も間違いなくある。トレーニングを始めるためには、愛犬をこっそり観察してみる時間が必要です。この時「こっそり」見てたつもりなのに、愛犬と目が合ってしまったら、さりげなく目線を外してみて下さいね。観察のコツは、愛犬の「その瞬間の行動」を妨げないことにあるからです。

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食い逃げしたアゲハ蝶が庭に戻ってきたのかどうかは、わかりません。ですが、棘しか残っていなかった柚子の苗木には、いつの間にか明るい黄緑の葉が増えました。そしてよく見ると、新芽に新しく白い3つの卵がありました。