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2026年2月11日

情報が多すぎると、うまく行動できない

こんにちは。トレーナーの馬場由紀子です。わたしは普段、愛犬の室内マナーや、お留守番トレーニング、お散歩練習のお手伝いをしています。

トレーニングの仕事を始めた頃、私は犬に「言葉で指示する」ことに抵抗がありました。
どうして抵抗があったのかを改めて考えてみたのは、私の職業を知ったある知人が、言った言葉がきっかけでした。


「犬のトレーニングですか?オスワリ!とかハウス!とか言うと、犬が動くわけですね?」

言った方はきっと悪気はなかったのだと思います。

ただ私はすごく違和感を感じて、でもその違和感を口にできないまま愛想笑いを浮かべていた気がします。

飼い主さんの中にも「トレーニングとは、飼い主が犬に指示をすること」だと思っていたとおっしゃる方がいます。私は「犬が犬らしくいれることが一番だから、しつけをしたくなかったんです」と言われ、どう伝えたらわかりやすいだろうか…と幾度となく頭を悩ませていました。

「トレーニング」と「犬らしく」は本来は対立するべきものではないはずなのに、どうしてそんな誤解が生まれてしまうんだろうか、と。

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ちょっとだけイメージしてみて下さい。

①人に会った時に、飼い主さんが「オスワリ」と言うと、オスワリするコ

②飼い主さんが何も言わないでも、人に会ったら自分からオスワリするコ


①来客時、飼い主さんが「ハウス」と言うとクレートに入るコ

②来客時、自分からドッグベッドを選んで寝ているコ

どっちを選びますか?
と言われると①を選びたくなりますか?それとも②の方が大事と考えますか?

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飼い主さんが時折口にされる

「来客がいなければ落ち着いています」
「早朝のお散歩では人に会わないから困らないのだけど」

は、愛犬の周りには多すぎる「情報」があって、愛犬が困っているだけだと仮定してみて下さい。

情報過多は、最近私達の身の回りにもよく起こっています。
無料の情報は山ほどあって、有益な情報も手軽に手に入る。でも、情報が多すぎるからこそ、どれを選んだらいいかがわからなくて、結局行動できなかったり、間違った行動を選んでしまったりすることは、人間でもあるのではないでしょうか?

「来客」や「お散歩時に会う人」は愛犬にとっての多すぎる「情報」の1つです。これらの情報の波に飲まれて、どの行動を選択したらいいかわからなくなっている時、飼い主さんが「こうしてみたら?」と提案できるのは、決して軍隊みたいな「指示」ではないはずです。

「指示でできる行動」と「自主的にできる行動」は、一方が「上位」で他方が「下位」なわけでなくて、状況に応じてどちらも活用できるものです。


わたしは相棒犬といっしょに「行動を覚える」トレーニングも好きですが、一番しあわせなのは、相棒犬とひなたぼっこして、何もしない時間です。

冬でも昼間はぽかぽかの芝生。
芝生に背中から寝転がっていた相棒は、上空の音に顔をむくりとあげました。私も並んで空を見上げると、かすかに聞こえる音と共に、飛行機が横切っていくのが見ました。