こんにちは。トレーナーの馬場です。
愛犬のお散歩やお留守番、来客対応の練習のお手伝いをしています。
12月に入ると、気忙しく、いつもよりせかせかと動き、あれもこれもと予定を詰めて、さらには大掃除に年末年始の準備をがんばっている方も多いのではないでしょうか?
年末にやり残したことをなくそう…の気持ちは私も毎年この時期感じます。ただ、12月まで残った課題は「がんばらないとできない」と私自身が思い込んでいるものも実は多いんです。
今日は、私自身が知人に言われてうーむ…と唸ったことを1つ紹介させて下さい。
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「120%の出力で働いているように見えるけど、たぶん100%部分をやめて20%の力で取り組んだら、きっともっとうまくいくんじゃないかな」
これは、私が実際に知人に言われた言葉で、今の私を形作っている、大事な言葉です。
「…私が頑張って取り組んでいることって無駄ですか?」
私は言いそうになったその言葉を飲み込みました。それでもそのヒトがどうしてそう言ったか、ぼんやりと気づいた私は「今無理してやっていること」を口に出しました。
私は、人前で話すことは得意ではありません。グループレッスンは今も苦手。
1対1の個別レッスンで結果を出すことはできても、複数の人に説明する時には、まだ慌てることがあります。ご家族で参加して頂く時も、全員に説明というよりは、キーパーソンが取り組みやすいことを伝え、ご家族の方の練習は、その方経由で行伝える方がうまく行くことに最近気づきました。
「全員に伝えよう!」ということは、以前の私が120%の力を注いで…結果を出せていなかったことです。
一方で20%でできることは、そのキーパーソンの方がうまくいくためにできる方法を、いくつも用意することです。私は「これをやってみたい」「あれをやってみたい」「これなら簡単♪」を見つけることは、得意です。
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私がお話した状況は、犬の問題行動に取り組む飼い主さんにも当てはまります。
犬の問題行動、吠える、咬む、家具を齧るなどの課題を抱えている飼い主さんは「放っておけばこの行動はなくなるから放っておこう」とは考えません。
どうしたらこの問題を解決できるだろうか…?
もっと頑張ればなんとか解決できるだろうか…?
私がやらなければ、このコを幸せにできないから頑張るんだ。
「頑張らないと問題は解決しない」という焦りは、犬に間違った情報を伝えてしまう。
その例を2つ挙げさせて下さい。
1つ目は、頑張っている時、ヒトは無意識に急いで動きます。素早い動きは犬を興奮させやすく、できる行動までできなくしてしまいます。例えば、拾い食いを防ごうとする時、あなたは犬に拾わせまいと急いで物を拾い上げませんか?お庭で犬が匂いを嗅いでいる時に草を齧りそう…と、慌てて駆け寄って愛犬を抱き上げていませんんか?
2つ目は、頑張り過ぎている時、ヒトは犬の表情をうまく読み取れずに、違う解釈をしてしまうことがあります。本当は怖がっているのに我儘だと感じる状況だけでなく、怖がっていないのに怖がっていると思ってしまう状況もあります。
犬が本当にどう感じているのか…
私たちには実際のところは分からない分、一旦立ち止まって状況を見直す時間は必要です。そのためには、頑張ってやっていることに気づいてみて下さい。頑張ってやっていることを一旦辞めたら「一番簡単な練習」を継続できるはずです。
さて「簡単な練習」の話に戻る前に、今すぐにやってほしいことがあります。
今愛犬と行ってみたい場所を1つ思い浮かべてみて下さい。いつも行く定番の場所でも、行くのが未だ不安な場所でも構いません。「行先」や「会ってみたい人」を決めることは、レッスンを受けることや本やSNSで学ぶことよりもきっと大事なことと馬場は思ってます。