犬のトレーナーの馬場です。
先日、犬についての本について書いた後
猫についても面白い本があるのではと
思い立ったのですが
「猫について」いうテーマは
随分幅が広いものです。
【実用書】なら
猫の飼い方
猫の習性
猫のボディランゲージ
猫の防災
猫の病気
【文学書】なら
猫を主人公にした物語
猫を飼っている少女の物語
猫と犬が旅をする物語
夏目漱石の古典
(ちょっと偏ったリストですが・・・)
【写真集】なら
日本の猫
世界の猫
猫の写真と格言
なんだか、いろいろあります。
面白いものを漠然と探そうとすると
思っていたよりも難しい。
特に誰かに奨めるって
難しい。
そんな時
猫以外の調べ物をしていた時に
ポール・ギャリコという小説家の名前が出てきて
ひょんなことから「猫が書いた」と紹介された本を手に取りました。
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猫語の教科書
ポール・ギャリコ(著)
スザンヌ・サース(写真)
灰島かり(訳)
1995年10月(出版)
筑摩書房
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母親を亡くした子猫が
ある家を乗っ取り
飼い主を訓練する様子を書いた原稿
それをポール・ギャリコが受け取ったことから始まるユニークな作品です。
人が説明していたら反感を買いそうだけれど
猫がしゃべっているなら聞いてみたい
そう思える可愛い語り口も魅力です。
私が気になった
【猫が自分専用の椅子を作る方法】という章では
”猫専用の椅子を作ることはとても大切であり
猫が住む家のにんげんもその椅子は勝手に使うことは許されない”
と書かれています。
”来客にもそのことを丁寧に伝えましょう”
という注意書きもついています。
これは実は
友人の猫が実践していたことです。
友人宅の18歳の猫は
私がリビングの椅子に座ろうとしたとき
すっと目の前を横切り
椅子に座り
こちらをちらっと見た後伸びをして丸くなりました。
椅子を奪われた私は
ソファに座る代わりに
その椅子に座る猫の横に腰を下ろして
しばらくその猫を眺めていました。
この「猫の教科書」の著者(猫)によると
椅子を奪われることが、人間にとっては
喜ばしいことだから
是非そうするべきだと強調されていたのですが
自分がまさにそうだったことを思い出しました。
真剣に猫の生態を勉強するために
とお奨めするわけではないのですが
この著者(猫)が書いていることは
なにやら学習理論にも沿っていそうで
私はふむふむ・・・とまじめな顔をして読みおえました。
ちなみに、最後に付け加えたい事は
これはあくまで、一匹の猫の私的な意見であって
すべての猫がそう考えて行動しているというものでは
決してありません(笑)