February 14, 2017

犬らしいってなんだろう?

犬が犬らしくあれるように付き合うって
どうしたらいいのでしょうか。

犬は走るのが好きで
飼い主と一緒にいる時間が大好き
走るものを追いかけて
嬉しい時にははしゃぎます。

犬を迎え入れて
「いう事をきちんと聞く犬にしたい」

と思う飼い主さんはあまりいません。

のびのび一緒に暮らし
時にいたずらし
一緒に笑い
気が付くと側にいて

そういう暮らしを望んで犬を迎え入れるのではないかなと思います。

カヌー犬ガクの話を聞いたことはありますか?
飼い主と一緒にカヌーに乗って旅した犬の話です。

--------------------------------------------------------------------------
”朝起きて玄関を開けると外で待ち構えていたガクが飛びついてくる。僕を見ると犬は飛び上がって喜び、僕の周りをグルグルと走った。走っているうちにますます気分が高ぶり、今度は家の周りを一周する。一周して僕と視線が合うと喜んでぴょんと飛び上がり、さらにスピードをつけて家のもう一周する。縁側で新聞を読んでいる僕の前で、ガクは家の周りを何十回も疾走して見せるのだった。(p32)”

「ともにさすらいてあり カヌー犬・ガクの生涯」 野田知佑(著)2002年
------------------------------------------------------------------------
 なんだか、のびのびと生活する様子が伝わってきます。

ガクは野山を駆け回りながら育ち
繋がれずに生活したと著書に書かれています。
日本だけでなく、アラスカやメキシコも旅をしたそうです。

相性の悪い犬とはがっつりケンカをし、クマと闘って投げ飛ばされ
飼い主との川下りでカヌーが転覆した際は、川を流されたりしています。

リードをつながないで野山を駆け回る・・・
日本でそうした生活は難しいし、また、すべきではない。

でも、この著者が犬と接するときの姿勢は
私たちが学ぶべき姿勢なのでは・・・と思うことがあります。

ガクの生活には
【犬が必要とする休息】

【犬がもともと好きな活動をする機会】

【ヒトと一緒に時間を共有する時間】
がバランスよくあったのではないかなと思うのです。

特に、人と時間を共有する時

常に身体を触られたり
名前を呼ばれて
構われたりするのではなく
放っておかれます。

放っておかれたガクは、訪問先のお家の庭で自由に匂いを嗅ぎ
涼しい日陰を見つけてそこに座りこみます。
きっと穴を掘ったり
何か手近にあるものを齧ったりもしたかもしれません。



犬が自分の居心地のいい場所を自分で探す
っていいなぁ。
と感じます。

私と一緒にトレーニングに取り組んでいただいている
飼い主さんたちは

犬が好きな活動を一緒にしたい
犬が心地よい場所を用意しよう
と努力されている方が多いと感じています。

でも心配ごとがあるので
犬にすべてを任せることは難しいと話されます。

その心配ごとを減らせたら・・・
犬も人ももっと伸び伸び過ごせそうです。

心配事を減らす「ツール」を作っていくために
トレーニングに取り組むことは多いと思います。

でもそれと並行して
犬がもともとどういう動物なのか
どういう活動をする動物なのか
見直してみるのもよいかもしれません。

同じトレーニングでも
犬が楽しそうだから取り組むと、「ツール」が偶然ついてくる♪

そういうこともあるからです。

現在、ネットや本では様々な情報があふれていますが
どの情報にも2面性があります。

できれば1つの情報にとらわれないで
様々な見解を客観的に捉えてみて下さい。

「方法」を述べているような情報源があれば
ちょっと面倒でも「理論」も一緒に読み取ってみて下さいね。