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2017年7月4日

クレートの扉閉めますか?閉めませんか?

犬がクレート内で落ち着けるようにしたり
クレートの扉の開け閉めに慌てないようにトレーニングすることを
クレートトレーニングと言います。

このクレートを犬の生活エリアに常設することや
クレートの扉を閉めること
「嫌だー」と感じる飼い主さんいませんか。

「犬がかわいそう…」
「閉じ込めるなんて非人道的…」
といった考え方の人もいると思います。

でも
「クレートを使うことで吠えてしまうのではと不安…」
または
「クレートで以前実際に吠えたことがある。
だからクレートを使えない(吠えたらうるさい!)」

そういう事情でクレートを嫌煙する人も少なくないようです。

今回はクレートトレーニングと「吠え」のことを少し分析してみましょう。

その1:愛犬はクレートに無理に押し込まれた(ことがある)ので吠える場合
クレート内で落ち着くワンコの特徴の1つに
クレートに自分の足で入ることが挙げられます。

パピークラスでも練習する
クレートに「自分の足で歩いて入る」ステップ
特に初めてクレートを使う場合は、大切なステップです。

ですが、何故かおろそかにされがちなこのステップ。
そうしてつい
動物病院に行くからクレートに入れる。(愛犬は入りたくないようだけど…)
来客が来たからクレートに入れる(愛犬は入りたくない様子だけど…)

愛犬が自分の足で入ったほうが、飼い主さんにとっても本当は楽なのに
なかなかステップを踏んで「馴れる」ことが難しい。

飼い主さんたちにお話をお伺いしてみると
「おやつで誘導しようとしても、腰がひけたままで…」

「うちの犬はおやつは好きだから、クレートの中のおやつをとるけど、取って逃げるだけ。そしてクレートを好きになった様子がない」

「おやつでは入るけど、食べ終わるとすぐ出てくる」

とおっしゃいます。

最初から、クレートに押し込もうと思っていたわけではなくて
うまくいかなかったから、やむを得ずなわけです。

実はおやつで誘導されることは、犬にとっては必ずしも楽しくない。
つまり、おやつは万能の薬では決してないんです。

そのことに気付いている人は
最初の難関を1つクリアなんだと思います。

なぜなら
おやつで誘導することよりも
ワンコができそうなことを見極めることこそが大事だからです。
できそうなレベルで練習しているうちに
どのコも自分から入ることができるようになります。

以前個別レッスンでおうちにお伺いした
チワワミックス君の飼い主さんからのメールには
レッスン翌日の夜からクレートでぐっすり寝たと書かれていました。
お昼のまったりする時間も

「あれっいない…と思ったら、クレートで寝ていてびっくりしました」

つまり、クレートの扉を外したままで使ってみるのも、悪くないのかもしれません。
(※クレートの扉の練習は、別の機会に行います)



その2:愛犬が見えるもの・聞こえるものに対して過敏であるため吠える
犬はもともと動くものを追いかける習性があります。
そのため、視界を遮ることで落ち着く環境を作ることができることは
ご存じの方も多いと思います。

クレートトレーニングでも
クレートにタオルなどをかけて目隠しをし
愛犬の「視界を遮断」することがあります。

例えば
クレートの中でグーグー寝ている。
入口にタオルをかけたら朝までぐっすり寝た様子で
のび~をしながら起きてきた。

ちょっと嬉しい朝の風景です。

また、少し前にお会いしたボーダーコリーさんは
車の移動中、窓の外の動くものに向かって吠えてしまうコだったので
クレートを使用し、なおかつタオルで視界をさえぎることで
車移動中に「動くものが目に入らない」状況を作りました。
このケースの場合、飼い主さんが落ち着いて運転できるようになったことも、重要なポイントです。

ただし、ここで注意点。
すべての「吠え」に対して
視界を遮断すれば解決するわけでは決してありません。

特に「音」と「苦手なものの動き」を今までセットで学習してきたコにとっては、
見えない「音」はかえって大きな刺激になることがあります。

見えないから余計イライラ。
これって、近づけないからイライラ(専門用語では「バリアフラストレーション」)
にちょっと似ている。
(見えれば、落ち着くかというと、そういうわけではありません)

そういうコの場合
・見えて、気にならないもの
・聞こえて、気にならないもの
をまず把握していきます。

この「気にならないもの」を手がかりにしてトレーニングを進めていくことが大切です。

そうすることで
まず、今愛犬がどういう状態かな?

に気付くことができます。

クレートのドアの開け閉めで落ち着くことも
もその過程できるようになるはずです。

どのワンコさんのトレーニングでも共通することですが
「これができない」「あれができない」と考えて煮詰まる時は
「今大丈夫なものは何かなー?」に
トレーニング方針をちょっぴり変換してみて下さいね。