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2017年7月18日

カメと犬

唐突ですが質問があります。
「カメ」と「いぬ」を間違えたことはありますか?

どう見ても混合しにくい単語です。
ですが戦前、「犬」は「カメ」だったようなのです。

幕末から明治にかけて、たくさんの外国語が入ってきた際
港で働く人たちは聞きなれない外国語の中から
「耳に残ったことば」を知っている言葉に置き換え
カタカナ表記で書き留めました。

「カメ」
はその1つです。
これは、アメリカ人が”Come Here!"(カムヒア=オイデ)と犬を呼んだのを
「カメや」
と捉えてしまい
「カメ」が「犬」を指す外国語として使われたのです。


参照:「NHKますます気になることば」 東京書籍 2009年

その時代の英語の教科書には面白い表記がいくつもあります。
「カメや」の他には「ハマチ」

これは”How much?”(ハゥマッチ=いくらですか?)
港で働く人ならではの単語のチョイスです。

どんなに英語に苦手意識がある人でも
「ハマチ」と「カメや」なら覚えられそうな
楽しそうな教科書です。

実は私は、以前英語にすごく苦手意識がありました。
間違った単語を言ったら恥ずかしい。
正しく発音できない。
そもそも頑張って発言しても相手に伝わらないから。


でも、発音以前にいろいろ考えすぎちゃって話せなかった。
例えば、海外のマーケットですごく可愛いお財布を見つけた時
これは、お財布だから”Purse(パース)” かしら?それとも”Wallet(ウォレット)"?
単数形するのかしら?
複数形が正しいの?
あーもうめんどくさい。
あれっ?そもそも値段はPrice(プライス)だから…なんて聞けばいいんだっけ?
もう買うのやめよっか…。

でも、英語をまったく知らない幼稚園生が
同じマーケットで
「ハ-マ-チ?」と言って、買いたいものを指さしたら
間違いなくコミュニケーションは成立します。

犬のしつけにも
これに近いものがある…と思うことがあります。

現代の犬のしつけは、
犬のボディランゲージを学んだり
犬の生態を学んだり
トレーニングの技術を学んだり
タイミングを捉えるための道具があったり
学習理論があったり

なんだか大変です。
(そうはいってもボディランゲージは
やっぱり大事なので、レッスンではちょくちょくお伝えしますが)

そこで提案です。
犬のしつけでこんがらがってきた時
一旦考えるのをやめてみましょう。
そして、安心できる場で、ワンコと遊ぶ時間を作ってみましょう。

私も商号を変えた方がよいかもしれません。
私の商号は「いぬとかんがえる」なんです。

犬と一緒に行うトレーニングで私が大事だ思うのは2つです。
「今できていること」と
「今できていることにちょっとプラスしたこと」

シンプルが一番!