ジャイアン
「おい、そのラジコンかっこいいじゃないか。この小さなロボットと交換しようぜ」
スネ夫
「ジャイアン…ぼく、本当はそんなロボット欲しくないけど…わかった、いいよ」
目の前でそんなやり取りがあれば、きっと
「それは交換とは呼ばないよね」
と思うはず。
でも、犬が畳んだ洗濯物にイタズラしている時、私達はうっかりジャイアンになっちゃっている可能性があるって言われたら…。
私なら当然いい気持ちはしません。
だって、犬の雑誌に
「洗濯物をくわえた犬は、追いかけないで、おやつと洗濯物を交換しましょう」
って書いてあったし。
パピークラスの先生に
「犬は物を取り上げると、執着しちゃいがちだからおやつと交換してみてはどうですか?」と言われたし。
おやつと交換するのが何がいけないの?
そもそも、犬に「やさしい」しつけを目指しているのに、「ジャイアンになっている」だなんて、とんだ言いがかりだと感じるかもしれません。
もしくは
おやつと交換しようとしたのに、犬が逃げて交換どころじゃなかったという飼い主さんももしかしたらいるかもしれません。
どうしてそういう状況が起こるのでしょうか。
実は「おやつと交換」にはふたつのコツがあるんです。
1つ目はなるべく犬と対面にならないようにすること。
洗濯物を持った犬を見て
「洗濯物を返してほしい」という気持ちが全面に出ていると
犬の真正面に立ち
つい犬をじっと見つめて「交換」しようとしがちです。
飼い主の「真剣さ」を
犬が「威嚇」と勘違いして身構えてしまい
「交換」が不成立に終わることが多々あります。
2つ目のコツは
イタズラしていない時に「物を放す」練習すること。
物を拾っていないのに、いったい何を練習するんだろう…と疑問に思われた方もいると思います。
そもそも
「困っていない」時の練習方法よりも
「困った」時の解決方法が知りたい
と思うのはごもっともです。
ですがここで一考。
困っていない時の練習の方が
犬にとってわかりやすい。
それから習得にかかる時間が短くて済みます。
そして、どんなに「困った行動」をするワンコも
24時間ずっと困った行動をとっているわけでありません。
交換でも
物を放す練習でも
もしも今うまくいっていないのであれば
まず練習するタイミングを見直してみるのはいかがでしょうか。