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2018年5月17日

カリフォルニアのトレーナーのインタビューから学んだこと

先日車移動中に
あるトレーナーさんのインタビューを聞きました。

カリフォルニア州に住む
デニースさんという女性のドッグトレーナーです。

1時間のインタービューを拝聴しました。
長いかな…と思っていたのですが聞き始めると楽しくなってきました。

たぶん「犬のトレーナー」を職業としている人だけでなく
「愛犬と何かやってみたい」と思う人にとってのヒントがありそうで。

そのヒントを1つ書き留めたいと思います。

この「何かやってみたい…」は特別な競技会である必要はありません。

ボール遊びでもいいし(追いかける)
屋外で犬が飼い主を追いかけるおいかけっこ遊びも楽しいです(走る)
鼻を使った探索活動は、犬の自信にもつながります(匂いを嗅ぐ)

追いかけること
走ること
匂いを嗅ぐこと

どれも犬が元来得意とする行動なので犬にとって集中しやすく
満足した活動になることが多いです。

ただし、ここで
一緒に遊ぶパパママが
「集中」と「興奮」は異なることに気づくことも大事です。

「興奮」している犬はストレスがかかりすぎている状態。

食べ物やオモチャに極度に興奮した状況では
犬が実際に「楽しいわけではない」というのは
多くの飼い主さんもお気づきだと思います。

だからこそ
トレーナーからレッスンを受ける時には
「やり方」を学ぶのではなく
「レベルの上げ方」「レベルの下げ方」を習得することが大事だと私は思います。

「やり方」は、一般的に一方通行ですが
「レベルの上げ下げ」を知れば臨機応変に動けます。
それは、「興奮」を「集中」に戻すために役立つことも多いです。

さて、冒頭のトレーナーさんのインタビューから
私が学んだコツは
「食べ物」使うトレーニングの注意点です。

デニースさんは、多くの犬のトレーニングを見ると
「食べ物を追いかけることにより犬の行動が”不自然”になっていることがある」
と指摘します。

例えば
「おやつは好きだけれど、人が怖がる子犬」
を見たことはないでしょうか。

おやつが欲しいから人に近づく…
でも、本当は怖いので、もらったら大急ぎで逃げる。

もしくは、最初はおやつしか見えないから自分から近づいたのだけど
その後、どうしたらよいかわからないぐらい怯えてしまった。

怖がりの犬の中には、おやつをもらって人に馴れていくコももちろんいます。

ですが
いつまでたっても怖がる場合は
食べ物による「不自然な行動」が
犬から学習する余裕を奪っていることもあるのだと思います。

食べ物を使ったトレーニングを効果的に行うには
・食べ物がない状況で
・犬が自然にとる行動
を知ることも大切です。

そのために
”食べ物やオモチャを使わないで犬と遊んでみる時間を作ること”
をデニースさんは提案しています。

正確に言えば
犬が欲しいと思うものを見せびらかさずに
犬の意欲を引き出せるかどうかを問いかけているのだと思います。

犬がその時遊びの誘いに乗るかどうかは
トレーニングがうまくいってるかどうかの1つの目安になります。

もしも、犬が遊びに乗って来なくても
あえていつも使う
「おやつ」や「オモチャ」なしで
犬の自然な行動はなにか見つけてみる。

このヒントは特別なことでは決してないけれど、
犬と暮らす時に、きっと大事な姿勢です。


参照
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[参考記事]
”Don't socialize the Dog!"
Karen Prayer Clicker Training


[音声資料:インタビュー]
“Stay in the happy bucket”
Denise Fenzi

Animal Training Academy
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