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2018年6月28日

お散歩のリードの長さはどのぐらいが「適当」でしょうか

お散歩の際に使用するリードの長さは
飼い主さんにより様々です。

M前後のリードを使う人もいれば
Mや3Mのリードを使う人もいます。

80センチの短いリードで歩く人もいれば
Mの伸び縮み型のリードで歩く人もいます。

どれが正解?
という質問には、動物行動学者や訓練士やトレーナーも
様々な場面で議論していたり、悩んでいたりする課題だなぁと思います。

私は、そのイヌと飼い主にとって負担がなく
安全でありさえすればどのリードを使っても構わないと思います。

ただし、リードはただの「ロープ」ではなくて
イヌにとっては「情報」を受け取る道具でもあります。

そして
状況によっては
長すぎるリード
短すぎるリードが
飼い主とイヌとの会話を妨げてしまっている状況もあるのはないかなと思います。

例えば
横を歩かせたい飼い主さんがリードを常に引っ張ってしまうと
飼い主さんが意図していないのにも関わらず、イヌが余計興奮してしまうことがあります。
これは、反射的な行動で「走性」と呼ばれるものです。
引っ張られることに対して、身体が反射的に引っ張り返そうとする性質を指します。
リードが張った時に座りこんだり、後ずさったりする犬もこの状況かもしれません。

反射的な行動とは
人間が、熱い物を触った手を引っ込める
びっくりしたので「キャ~」と悲鳴をあげる
のと同じタイプの行動で、意識する前にでる行動です。

また、長いリードが常によいかと言えば
それも違ってきます。
例えば、1Mのリードで止められることと、長いリードで止められることには違った「情報」が含まれてくることがあります。

極端な例を出すなら、5Mや10Mのリードの範囲を知らずに全速力で走って端まで行った場合、イヌの身体にかかる衝撃はとても大きくなります。
状況によっては
「走ること」が危険…と誤解してしまったり
その時に見た「他の犬」が危険…と誤解してしまう場合もあります。

伸縮性リードは、イヌの行動をできるだけ妨げない利点がある一方で、走るものや他の物を追いかける習慣があるコの場合は、扱いに細心の注意が必要な道具になります。






「リードってそんなに難しいもの?」
と悩まれるのであれば
きっとそんなことはありません。

多くの場面で
リードを持てば「お散歩だ!」と喜ぶワンコがいたり
ワンコ同士のご挨拶の時も「からまないように」「首が苦しくないように」とリードを上手に持ち替える飼い主さんがいたり

あまり意識しないでも生活に溶け込んでいる様子をよく目にします。

ただ、どうしても
引っ張ったままになってしまう
飼い主が引っ張られるのがつらいし
犬も首が締まったままで苦しいし
という状況が続いてしまうなら、一旦その状況を打破しなきゃなりません。

犬が苦手なものを「すべて取り除く」という
トレーニングプランは実用的ではありませんが
犬や動くものに馴れるには、「リードに馴れる」ことが必要です。

また「リードに馴れる」ためには
犬が落ち着いて歩きやすいコースを見つけてあげるのも
課題解決の近道なんてことも、あるのではないかなと思います。