July 12, 2018

「お留守番練習」の機会


「お留守番の機会」と
「お留守番練習の機会」は違うということを、書きたいなと思います。

実は、お留守番の時吠えないけれど、「ひとりになるのはすごく不安」な状態で生活している家庭犬は
私たちが思うよりも、もしかすると多いのではないかと感じたからです。

犬が不安か不安でないかはさておき
さてお留守番の時、犬目線ではいったい何が起こるか書き出してみました。
・ママがカバンを持つ
・ママがお化粧をする
・時計をみてそわそわする
・リビングの扉が閉まる
・玄関の扉の音がする
・車の音がする
・一定の時間のママの不在または、何時間かが分からない、ママの不在
・インターフォンの音(不在だけど、人は来るかも)
・車の音(宅急便の車が家の前を通るかも)
・子供の声(近所の子どもが遊んだり、はしゃぐ声が窓からかすかに聞こえるかも)
・雷の音(もし、雷が苦手な場合、頼るママがいない状況はちょっとつらいかも)
・地震(もし、振動が苦手な場合、頼るママがいない状況はちょっとつらいかも)
・玄関の音(だれかわからない)
・リビングのドアが開いて、家族が入ってくる
・大きな荷物
・誰か別の人が一緒に入ってくる
・静かだった状況から、急に人の声(家族にしろ、家族以外にしろ)

この中でちょっと曲者なのが「時間」です。

この「時間」について、私トレーナー馬場の失敗談を暴露したいと思います。
私は、留守番トレを失敗した飼い主のひとりなんです。

私の相棒犬は、私の出勤時、私が玄関を出て、しばらくは落ち着いていました。
「ワン」とも「ぴぃぃ」とも言わず
座ったまま私が出ていくドアを見ていました。

そのため、私の不在時に相棒犬が不安な兆候があることに
かなり大騒ぎになるまで気が付きませんでした。

家族が私に伝えたことが
「少し吠えたよ」だったのが
「なんだか狂ったように吠えたよ」となった時
私は正直びっくりしたのです。

問題が起きて最初に行ったのは、まず現状把握です。
うちの犬の状況はこうでした。

私が玄関を出て、3分はまったく大丈夫。で…5分後に鳴きだします。1回目は、ひゅ~んとちょっと切なげな声。2回目はぎゃん!と大き目。3回目は、ギャギャギャ~んとパニックになった音。
そうなると、いつもは反応しないような、小さな物音にも過敏に反応してしまうようで、手が付けられません。

ここまで大騒ぎになってからは、原因はもはや憶測にすぎないのですが
おそらく、訪問レッスンとシッターの仕事で
急に帰りが遅くなった日が続いたのがきっかけでは…と思います。
私は重い腰をあげざるをえませんでした。

トレーニングの大枠は
犬が不安にならない「刺激」を繰り返し提示し、パニックにならない経験を積み重ねていく方針です。

練習の一例はこんなカタチ。
※あらかじめ断っておくと、練習は「在宅時(つまり人がお休みの日)」に行います。

1)玄関を出て戻るを100回ぐらい繰り返しました最初は、できる限り、イヌが疲れている時間帯を狙って行います。

2)馴れてきたら、玄関を出て戻るを、違った時間帯に行うようにしました。

3)馴れてきたら、戻ってくるタイミングを、「3秒後」ではなく「2分後」「3分後」と時間を加えていきます。

4)ここからが課題の「5分後」の状況への取り組み。「3分後」で問題がなかったら、続けて「5分後」はどうか様子を見ます。戻ってきたときと出ていくときの様子が同じようにごろんと寝そべっていれば、問題なしとして、次のステップへ進みます。


えっそんな簡単なことでいいの?と思われましたか?
それとも、100回もやるなんて、ドアが壊れる(笑)と思われましたか?

この練習のコツは、実は「同じ場所に留まる」のマテの練習の難易度の上げ方とちょっと似ています。

なので、1秒でも大慌てになってしまうワンコの場合は、まず、飼い主が動いても1秒その場で待ってる「カタチ」を教えた方がスムーズにいくのではないかなと思います。

もう1点付け加えるならば
このマテは「おやつを見せびらかさないで」練習します。
犬がおやつを「期待」してしまうと、長時間待つことは、犬にとっては徐々に負担になってしまうからです。

おやつは「ごほうび」として使える場合は多いですが、その場で待つための「誘導」ツールとしてはあまり適しません。(「ごほうび」と「誘導」の違いについては、また改めてまとめたいと思います。)

ちなみに今相棒犬は、留守番エリアでゴロゴロしたり、クレートで爆睡することが増えました。私が仕事から戻ると、起きてくるけど、帰宅してすぐに私が事務仕事を始めると、クレートに戻ってまるい姿になります。