そもそも「ほめる」とはなんぞや?と疑問に思ったことはありませんか?
犬のトレーニングで私たちが
「おりこうだね!」「いいこだね!」「Good Boy!」とかける声かけを
難しい言葉で表現すると
『二次強化子』
になります。
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『二次強化子』とは
元来は意味を持たない、音や光などの刺激が生得的に好ましいもの(たとえば食べ物など)と結びついたために動物の行動に変化をもたらす刺激として意味をもったもの。
意味付けをされたという意味から「条件づけされた強化子」とも呼ばれる。
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具体例を出すならパブロフの犬のベルの音
飼い主が愛犬をほめる声
などが挙げられます。
実はこの『二次強化子』は
『生得的な強化子(たとえば食べ物)』よりもトレーニングにおいて重要
な側面が2つあります。
1つ目はタイミング
トレーニングには、タイミングが大事で
二次強化子はそれを伝えるのに役立ちます。
例えば
トイレトレーニングの一場面を見てみましょう。
室内に設置したトイレで愛犬が上手におしっこできました。
そうだ!ごほうびおやつを取りに行かなきゃ…と台所にバタバタ走るママ。
ママは「ごほうび=たべもの」であると考えているからです。
(それは間違いではないのですが…)
走るママを追いかけるワンコ。
台所で美味しいフードをもらいます。
とてもうれしそうです。
この場面で特に悪いことはなさそうなのですが、1つ注意が必要です。
この時ママは「おしっこをトイレでできたこと」を褒めたつもりでも
ワンコが学習したことは
「走るママは追いかけるべし」かもしれないし。
「台所はおいしいものがある」かもしれません。
部屋を出るママを執拗に追いかける行動は
こうしたタイミングのずれが原因で起こることがあります。
トイレトレーニングで「うちのコできた!すごい!ほめよう!」と思った時は
まずママが落ち着いて「いいこね」とゆっくり声掛けしてみましょう。
慌ててごほうびを取りに走らなくても大丈夫です。
「二次強化子」もう1つの役割は
「飼い主さんと犬との関係づくり」です。
トレーニングとは「犬と人の会話」であると考えてみるといいかもしれません。
犬のトレーニングは
犬がひとりで学習するものでも
飼い主がひとりで学習するものでもありません。
ごほうびが空から降ってくるよりは
「ママからもらうから嬉しい♪」
そんな関係づくりに役立つのが「二次強化子」つまりほめ言葉です。
「二次強化子」なんて言葉は、すぐに忘れても大丈夫ですが
(タイトルとは矛盾してしまいますが)
犬との会話に必要なのは
決して食べ物で行動をつることではないことは知って下さい。
会話に大事なのは
犬が大好きなものの「前」にある
飼い主さんからの落ち着いた声や振る舞いです。