人を待たせない方がよい
という考え方は、間違っていません。
間違ってはいないけれど、
犬育てにおいて人に
「ちょっと待ってください」と周りに伝えた方がいい場面はたくさんあります。
例えばこんな時。
子供が「かわいいワンコ!!」と走り寄ってきた…。
おばあちゃんが「前飼ってた犬に似てるわ」と手を伸ばした…。
それから
こんな場面は日常的にもあるかもしれません。
インターフォンがなって「宅急便でーす」の声
宅急便でお届けに来てくれる方は、ものすごいハードスケジュールで働いていて
大急ぎで配達して、大急ぎで帰られることが多いです。
結果、宅急便を受け取る方も慌てて玄関に飛び出して行く…。
今まで家の中で、ゆっくり家事をしていたママが大慌てで走りだす姿。
新しいことを吸収中の子犬にとったら大事件です!
ママを大慌てで追いかけたり
ギャンギャン吠えたりするのは
至極自然な成り行きなのかもしれません。
どの人も大忙しの毎日の中で
「うちの犬のために」待ってもらうようにお願いする
「ちょっと待ってください」と相手に伝えるのは
ほんのちょっぴり勇気がいることです。
でも、ほんの少し待ってもらえれば
犬が新しい情報を処理して
落ち着くことも多いんです。
インターフォンの対応に関しては
もちろん、相手に待ってもらうだけでなく
「来客対応」の練習のために
飼い主さんの「ドアの出入り」に犬が慌てない練習は
必要です。
個別レッスンでも取り組む課題の1つです。
ただ、愛犬の「行動」の習得と並行して
「ちょっと待って下さい」を口にする練習も
もしかすると必要かもしれません。
いくら日本語でも、使い慣れていない言葉って、とっさに出ないからです。
愛犬のことに関わらず
【人を待たせること】はなかなか難しいことですが
待ってもらうことってそんなに悪いことでしょうか。
日本では
電車も
バスも
時刻表通りが当たり前。
1分でも遅れたらクレームが来ます。
ですが、少し視点を変えれば、これからの日本は超高齢化社会。
ちょっと待つ「心配り」があってもいい場面は
これからもっと目にすると思います。
「待ってもらうこと=悪」だなんて言っていたら
のんびり押し車を押しながら歩く私の祖母も少し困ってしまいます。
祖母が買い物をするときはだいぶのんびりなので…。
(脱線しますが…レジの方いつもありがとうございます!)
さて冒頭の
走り寄ってきた小学生にお願いした「ちょっと待ってね」に
小学生は立ち止まって「どう挨拶したらいいですか?」と聞いてくれました。
犬にとって【なんだか急接近して怖い何か】との遭遇から
【怖がり犬のルールに気づいてくれる小さい人】と話す機会を作ってくれました。
ルールを知って怖がり犬と仲良くなりたい子供もいるのを知ると
「ちょっと待ってね」の使い道はまだまだありそうです。