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2019年6月6日

社会化と「受け身」の関係

トレーナーの馬場です。

私が動物病院でパピークラスを担当させて頂いてから
もうすぐ8年になります。

クラス開始時に思っていた
「いろんなタイプの仔犬たち集まって安全に遊べるのかな?」
という考えていた不安は減った一方で

リードや首輪
ヒトの手の動きにやや過敏なパピーさんが
取り組みやすい練習の仕組みづくりには、毎回頭を悩ませます。

ワンコがまだ馴れていなくて「過敏に反応してしまうもの」
つまり「苦手」なものには
【受け身】になるよりも
【自発的に動く】ことで
克服できることが俄然多い。
そのため、私は
パピークラスでは仔犬が【自発的に動く】部分を多く組み込むようにしています。

【受け身】を上手にとれるようになるための
【行動】なので
「トレーニング=訓練する」とイメージであれば、少し違うかもしれません。

どんな練習なのかをお伝えする前に
まず「受け身」と「行動」は何が違うのかの例を見てみましょう。

犬が診察台の上に乗せられるのは、犬が状況を受けいれる「受け身」の練習です。
(たまに診察台が大好きで自分で飛び乗ってくれるコもいるので、例外もあります(笑)

実は、子犬の時期に経験する多くは「受け身」の経験です。

お散歩で使用する首輪やハーネスの着用も「受け身」
足ふきで前足を持たれることも「受け身」
自転車を追いかけないことを学ぶのは…?

「受け身」って練習して習得するものなのか、疑問に思われるかもしれませんが
犬たちは「人間の生活」という、犬目線からは不自然なものをたくさん「受け入れる」社会化を必要とされています。

でも、すべてをいっぺんに受け入れるのは、難しい。
だから、「受け入れられない」があった時に
『犬が悪い!我儘なコだ!』と考えこんだり
『飼い主の教え方が悪いのかな…』と落ち込んだり
しないで下さい。

受け入れられないものへの別の見方を見つけてみるのが
パピークラスの場であってほしいと思います。

トイレトレーニングに関しても
飼い主が仔犬を抱っこしてトイレに連れていく(受け身)のと
子犬が自分の足で歩いてトイレに行く(行動)では
ちょっと違いますよね。

社会化は大事であるけど
犬にどんな社会化が必要かって意外に分かりにくい。
そして、人にとって分かりにくい以上に、犬にとっても分かりにくいってことを
最初に少し意識してみると
子犬育てが少しだけ楽になるかもしれません。