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2019年7月8日

コングを毎日使うのが面倒な理由

「コング」って名前は聞いたことはありますか?

コングは、犬用のオモチャで
フードを詰めて使う、知育玩具と呼ばれるものです。
犬が頭を使って食べ物を取り出すことを楽しむオモチャです。

私はパピークラスのカリキュラムに【コング練習】を組み込むことが多いです。
カリキュラムと言うと大げさですが
コング遊びは、子犬にとっては取り組みやすい活動だからです。

ですが…コングの利用は人間にとってはちょっとめんどくさい活動です。

何が面倒なのか…を少し書き出してみましょう。
1つ目:フードを詰めなければならない。

お皿にドライフードをざっと入れるのであれば、2秒あれば、終わります。
ですが、ドライフードをコングに詰めようと思うと30秒はかかります。
もしも、ワンコが食べ物に興奮しがち…な時期であれば
あえて用意に時間をかけるよりも、さっと出せば、一瞬で終わるので
コングを使用するのに二の足を踏む飼い主さんもいるかもしれません。

また、そうでなくても
一日の仕事でぐったり疲れている時
毎日やらなければいけない「作業」は10秒でも早く終えたいもの。
私は、仕事で疲れた日に
寝る前に着替える時に、「靴下を脱ぐのを省略しようか」と思う日がありました。


2つ目:コングでの食後に落ち着かないコがいる。

これはおそらくコングの難易度によるのではないかな…と思います。

ちょうどよい難易度だと
ワンコは「おれはやったぞ!まんぞくだ」
でいい活動になります。

もしくは簡単すぎると
ざっとひっくり返して2秒で「床がお皿?」という状況もあり得ます。

この場で取り上げたい状況は、難しすぎるケースです。
難しいとコングから食べるのを諦めてしまうコがいる一方で
中には「過集中」を起こすワンコがいます。
食べ終わってからも、まわりをくんくん嗅いでまわる。
うろうろ…うろうろ…歩き回る。
そんな時は食後に少しクールダウンの時間が必要になります。
ふだんのごはんでは、食後寝るのコも
コングで長く集中(たとえば、40分頑張って取り組んだ!)後は、トイレに行く必要がある子もいると思います。

犬が自分から落ち着けるためのツール、が本来の目的のコング。
ですが、そうではない状況もゼロではないわけです。
(少し話が横に逸れてしまいますが、コングのお留守番ツールとして使う前に、在宅時に使った方がよいのはこんなわけが潜んでいます。)


3つ目:食事に時間がかかる

ごはんに時間がかかるのを「デメリット」と挙げるのは
コングでごはんをゆっくり食べる「メリット」をまるっと無視するようで
心苦しいのですが、時間がかかるのは、やっぱり1つのデメリットです。

なぜなら犬の食事が終わっているかどうかを飼い主さんは確認する必要があります。
食事の食べ方(よく食べる・残す)は、愛犬の体調のバロメータの1つ。
食事を食べ終えたかどうかわからないまま、放っておくわけにはいきません。


4つ目:片付けが面倒。

コングは洗う手間がさらにあります。
お皿であれば、洗うのも簡単です。
ですが、コングは、古くなった歯ブラシで中をごしごし洗う必要も出てきます。

私が以前一緒に住んでいたトレーナーさんは
よくお皿洗い機にコングをそのまま突っ込んでいましたが
洗浄後に、奥に残っていたドライフードがかぴかぴになってる…!と気づき
洗いなおしていることもしばしばでした。

さて4つほどコングのデメリットを挙げました。
犬にとって「楽しい」活動が、人間にとって「大変」であると
なかなか継続して使うことができません。

そんな懸念がある場合は、まずは雨の日
家族みんながそろった日だけ、使ってみませんか?

・今犬育てで何が大変か
・どの作業を家族に分担してもらえるか

を家族のメンバーとちょっと話す間
ワンコが集中できる「お仕事」が作れるかどうか試してみるだけでいいんです。

デメリット1にあげた「コングを用意する間興奮してしまう」場合
3粒コングを用意する練習から始めてみてもよいかもしれません。
(3粒詰めるなら、お皿を用意するのと、きっと同じ手間です)

コングが簡単すぎて「瞬殺」してしまう場合は
コングのレシピを考えてみるのもお奨め。
レシピを考えるのは、実はけっこう楽しい作業です。

※ワンコがヒトから食べ物を守る(出血を伴う咬み)行動をとったことがある場合や
多頭飼いの場合は、安全面を確認しながら使用する必要がある点もつけくわえておきます。物を守る行動や、多頭飼いでのご相談は、メッセージからどうぞ。