こんにちは。犬のトレーナーの馬場です。
普段は、家庭犬のお散歩課題、室内での過ごし方、留守番準備のお手伝いをしています。
本日は、子犬時期に一番大事なことは何かを書きたいと思います。
子犬時期に大事なことは、皆さんはなんだと思いますか?
トイレを教えること?
甘噛み対策?
ご近所さんと上手に挨拶すること?
私は、それらの「行動」を教えるよりもまず、愛犬が「名前」に対してどんな感情を持つか、名前を呼んでくれる飼い主さんの動きをどう捉えるかを一番大事にしたいとお伝えしています。
3ヶ月齢の子犬を迎え入れると、何から手をつけていいかわからなくなるほど、生活が忙しくなります。トイレを教えるまでは、掃除三昧の毎日。朝もいつもより早く起きて対策を練る方もいると思います。
散歩は楽しかろうと連れ出せば、リードに馴れていない子犬は踏ん張って動かない。
オモチャをばらばらに破壊。
オモチャじゃないものもばらばらに破壊。
お腹を壊して慌てて動物病院に駆け込めば、これからお世話になる先生に対してうーっと唸る…。
そんな日には、多分誰もが、犬の名前がなんだ!という気持ちになると思います。
ただ、名前がどうして大事なのか、ちょっとだけ私の休日の話にお付き合いください。
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河川敷を相棒犬と歩いていたら、バードウォッチングをしている女性を見かけました。
確かに鳥の声は散歩中にもよく耳にします。私が休みの日の散歩コースにここを選ぶのも、相棒犬がコジュケイを見つける時の仕草が見たいからです。
挨拶をしてすれ違うつもりでしたが、女性の方のあまりにも楽しそうな雰囲気に思わず質問が口をついていました。
「このあたり、珍しい鳥がいるんですか?」
「珍しい鳥ではないけど、今の時期はアオジ・ジョウビタキ…」
女性は、私が聞きなれない鳥の名をすらすらと並べます。肩には双眼鏡をかけています。
「この双眼鏡で、世界が違って見えるんですよ」と女性は熱心に続けました。
帰宅してから、かろうじて覚えていた「アオジ」を調べてみました。写真ではスズメに似ています…。もしかしたら、私がこれまでスズメだと思っていた鳥のどれかは「アオジ」だったのかもしれない。
写真をスクロールしながら、私は大学時代にスズメのヒナを保護したことを思い出しました。ウエストポーチに入れて、大学構内にまでヒナを持ち運んで給餌。授業中、ウエストポーチの中でヒナがぴぃぴぃと鳴くので、私は教室の端でそわそわしていたと記憶しています。
休み時間毎に練り餌を用意するのですが、毎度いい食べっぷりです。家に戻ると部屋の中を少しずつ飛ぶようになって、1ヶ月後ぐらいに飛び立っていきました。当時はヒナの世話で、つきっきりだったのですが、今まですっかり忘れていました。
名前って面白いとつくづく思うのは、こんな時です。その名前で何かを調べるきっかけになったり、何かを思い出したり、その時の感情も一緒に引き出すものだからです。あのヒナが「アオジ」だったか「スズメ」だったか、はたまたまったく別の鳥だったかは別として。
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愛犬の名前は、私が電話での相談を受ける時も、パピークラスの参加者にも最初にお聞きしています。飼い主さんは問題行動の相談だけしたいのかもしれない。でも、名前は、問題行動以上に大事なんです。
愛犬の名前をつけた由来は何でしょうか?
普段、愛犬の名前を呼ぶのは、拾い食いを叱る時ですか?
それとも、オモチャ遊びに誘う時ですか?