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2024年11月19日

愛犬の名前と愛犬の問題行動

こんにちは。犬のトレーナーの馬場です。

普段は、家庭犬のお散歩課題、室内での過ごし方、留守番準備のお手伝いをしています。

 

本日は、子犬時期に一番大事なことは何かを書きたいと思います。

子犬時期に大事なことは、皆さんはなんだと思いますか?

 

トイレを教えること?

甘噛み対策?

ご近所さんと上手に挨拶すること?

 

私は、それらの「行動」を教えるよりもまず、愛犬が「名前」に対してどんな感情を持つか、名前を呼んでくれる飼い主さんの動きをどう捉えるかを一番大事にしたいとお伝えしています。

 

3ヶ月齢の子犬を迎え入れると、何から手をつけていいかわからなくなるほど、生活が忙しくなります。トイレを教えるまでは、掃除三昧の毎日。朝もいつもより早く起きて対策を練る方もいると思います。

 

散歩は楽しかろうと連れ出せば、リードに馴れていない子犬は踏ん張って動かない。

 

オモチャをばらばらに破壊。

オモチャじゃないものもばらばらに破壊。

お腹を壊して慌てて動物病院に駆け込めば、これからお世話になる先生に対してうーっと唸る…。

 

そんな日には、多分誰もが、犬の名前がなんだ!という気持ちになると思います。

ただ、名前がどうして大事なのか、ちょっとだけ私の休日の話にお付き合いください。

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河川敷を相棒犬と歩いていたら、バードウォッチングをしている女性を見かけました。

確かに鳥の声は散歩中にもよく耳にします。私が休みの日の散歩コースにここを選ぶのも、相棒犬がコジュケイを見つける時の仕草が見たいからです。

 

挨拶をしてすれ違うつもりでしたが、女性の方のあまりにも楽しそうな雰囲気に思わず質問が口をついていました。

 

「このあたり、珍しい鳥がいるんですか?」

「珍しい鳥ではないけど、今の時期はアオジ・ジョウビタキ…」

 

女性は、私が聞きなれない鳥の名をすらすらと並べます。肩には双眼鏡をかけています。

「この双眼鏡で、世界が違って見えるんですよ」と女性は熱心に続けました。

 

帰宅してから、かろうじて覚えていた「アオジ」を調べてみました。写真ではスズメに似ています…。もしかしたら、私がこれまでスズメだと思っていた鳥のどれかは「アオジ」だったのかもしれない。

 

写真をスクロールしながら、私は大学時代にスズメのヒナを保護したことを思い出しました。ウエストポーチに入れて、大学構内にまでヒナを持ち運んで給餌。授業中、ウエストポーチの中でヒナがぴぃぴぃと鳴くので、私は教室の端でそわそわしていたと記憶しています。

 

休み時間毎に練り餌を用意するのですが、毎度いい食べっぷりです。家に戻ると部屋の中を少しずつ飛ぶようになって、1ヶ月後ぐらいに飛び立っていきました。当時はヒナの世話で、つきっきりだったのですが、今まですっかり忘れていました。

 

名前って面白いとつくづく思うのは、こんな時です。その名前で何かを調べるきっかけになったり、何かを思い出したり、その時の感情も一緒に引き出すものだからです。あのヒナが「アオジ」だったか「スズメ」だったか、はたまたまったく別の鳥だったかは別として。

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愛犬の名前は、私が電話での相談を受ける時も、パピークラスの参加者にも最初にお聞きしています。飼い主さんは問題行動の相談だけしたいのかもしれない。でも、名前は、問題行動以上に大事なんです。

 

愛犬の名前をつけた由来は何でしょうか?

普段、愛犬の名前を呼ぶのは、拾い食いを叱る時ですか?

それとも、オモチャ遊びに誘う時ですか?

 

2024年8月27日

様々な生き物をみていて気付く「犬のトレーニング」のコツ

柚子の葉を食べて日に日に成長している不気味な色の芋虫を眺める朝。

初めて遭遇した時は、私が「ひぇっっ」と悲鳴あげて、相棒犬を驚かせたこの芋虫は、アゲハ蝶の幼虫です。正体が分かった後は、そのままその木に住まわせて、羽化するのを見てみたいと期待して観察していました。

 

ある朝、柚子の苗木の葉は一枚もない。棘だけの痛々しい姿になっていました。3匹いた幼虫はいません。蛹の姿もない。

 

「食い逃げだ!」

残念ながら、羽化する姿を見られませんでしたが、庭の芝生で寝転ぶ相棒犬の傍をアゲハ蝶がふわふわ飛ぶ様子は、今年はよく見る気がします。

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毎日の厳しい暑さで、屋外では犬のトレーニングに取り組むことが全くできません。

レッスンでは、室内での課題に置き換えていますが、もともとお散歩が好きなワンコたちの飼い主さんはもどかしい思いをされているとひしひしと感じます。

 

私もそのひとりです。相棒犬との山登りに全く行くことができない今年の夏は「椅子ヨガ」で体力づくりをして秋に備えています。椅子ヨガは、単にストレッチを椅子に座ってするだけですが、呼吸を丁寧に行えるので、この時期お奨めです。

 

椅子ヨガをしていて、相棒犬の動きを何気なく観察していると面白いことに気づきます。それは、犬も人間もそして虫も、同じ場所にいる時も、ちょっと違った「行動」を選択しているということ。

 

相棒犬は、マットで寝そべることが多いコです。
朝ごはんを期待してわくわくしている時は顔をぐいっと持ち上げて寝そべっていますが、椅子ヨガをする飼い主を眺めている時は横向きに寝転び、しばらくすると頭がマットからずり落ちます。

暑くなればマットから降りて、顔(といより耳の端っこしか乗ってない)だけマットに乗せて床に寝そべる。うん、我が家の相棒犬は寝相が悪いんです。…という話ではなく、対象物(マット)に対しての「犬の体が触れている箇所」が違うことに注目してほしいんです。

 

違う例で言えば、テラスドアに対して「飛びつく」行動の時、その犬の前肢はテラスドアにぶつかりますが、「外を眺める」行動であれば前肢はぶつかりません。外の物音を気にしている時なら、何かに飛びついていなくても、顔の向きは窓の外に向いていていますが、もちろん外を見ないで涼しい室内の風に目を細めている時間だってあるはずです。

 

私たちが、犬のトレーニングをする時、あまり意識していないと「目立つ行動」だけに注目しがちです。でも、そうではない時間も間違いなくある。トレーニングを始めるためには、愛犬をこっそり観察してみる時間が必要です。この時「こっそり」見てたつもりなのに、愛犬と目が合ってしまったら、さりげなく目線を外してみて下さいね。観察のコツは、愛犬の「その瞬間の行動」を妨げないことにあるからです。

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食い逃げしたアゲハ蝶が庭に戻ってきたのかどうかは、わかりません。ですが、棘しか残っていなかった柚子の苗木には、いつの間にか明るい黄緑の葉が増えました。そしてよく見ると、新芽に新しく白い3つの卵がありました。

2024年7月16日

失敗してもいいから…なんてキレイごと?

 「のびのび育てたい」

「このコがやりたいことを、できるだけさせてあげたい」

 

犬育てで一番大事な心構えは、きっとみんな知っています。

それが、なぜかうまくできない。犬自身だけでなく、飼い主さん自身がしんどい思いをしている状況を私は何度となく目にしてきました。

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「こうしなければいけない」

「早く教えなければいけない」

「正しいやり方でやらないと、恥ずかしい」

「周りの人の目が心配でうまくできない」

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私たちが「こうしなければいけない」を学んだのはいつでしょうか?

犬のトレーニングとは、全く関係のない話ですが、私は、大学時代「スピーチ」の授業が何より苦手でした。

「きちんと話さなければいけない」を抱えこんで毎回唸っていました。

 

台本を用意しても、棒読みになってしまう…

発音が悪くて聞きとってもらえない…

焦ると単語の順番までひっくり返る…

そもそも何の話をしようとしていたんだろうと頭がまっしろに…。

 

練習の場が足りないことは自覚していましたが、協力してくれる友人の前でさえ「棒読みの台本」を読むのが恥ずかしい。結果ひとりぶつぶつと、念仏を唱えるような練習だけが繰り返されました。

 

アメリカの短大での授業だったので、私は自分の「英語力(技術)」が周りのクラスメイトに追いついていかないと自分自身を責めていました。でも、私に足りなかったのは英語力よりもむしろ、伝えたいことがあれば伝えるという「意志」でした。

 

当時の私は、クラスメイトの前でしどろもどろのスピーチを披露する「失敗」を繰り返しました。ですが今になって思うのは、あの時の「失敗をする機会」があってよかった、です。

自身の下手なスピーチに赤面しながらも、私は「単位を落とすわけにはいかない」と授業を欠席することはありませんでした。そして、ふと気づいたのは、下手でも続けたことは、今の私の底力になっています。下手なりにクラスメイトと話しかけてみると、特に困ることなく会話することはできたことに驚いたことを今も覚えています。

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子犬を迎えて、飼い主さんが直面するのは

「犬がこんなことをするなんて(想像の上をだった…!)」と

「また失敗してしまった…!」です。          

 

飼い主さん自身、慌てて動くと、子犬も慌てるとわかっていても、失敗がいつまで続くかわからない不安は、飼い主さんを同じ行動に向かわせます。

 

床の匂いがついたら、きっと落ちない…。

同じところで失敗したら、いつまでたっても失敗してしまう…。

 

そんな心配から抜け出すためには、もう一度「トイレ環境」と「寝る環境」を見直すことから始めましょう。

「失敗してもなんとかなる」と実感できるには、甘噛み、吠え、トイレ…どんな子犬も一度は通る成長過程を知識としてもっておくだけでは、きっと不十分なんです。

先日お伺いした6ヶ月のパピヨンさんのママも、同じ不安を抱えていました。お伺いして私が一番驚いたのですが、飼い主さんはトイレ環境はほとんど自力で整えられていました。ですが、「失敗させまい」と柵がたくさんあるが故に、時として犬の動線を遮ってしまう状況が見受けられました。動線を塞がないように環境を再整備した後、しばらく見守ると、パピヨンさんは躊躇なくトイレに行きました。

 

初回のカウンセリングの翌日、ママさんからは「おしっこの失敗がゼロになりました!!」とビックリマークがいっぱいついたメールが届きました。翌週お伺いした時のママさんの笑顔からも、お家の掃除担当を担われるママさんにとって「トイレの失敗」が繰り返されることが、これまでいかにストレスだったかが伺えました。

 

環境整備がトイレにまつわる時もあれば、夜寝る場所、お留守番エリアの場合もあると思います。

ただ、その環境が「犬にとって」だけでなく「飼い主さんにとって」も不安にならない状態を作っていくことが、トレーナーの仕事だと実感したひと時でした。

 

機会を作る。

失敗していい場を作る。

 

失敗をなくすには、矛盾するようですが「失敗してもいい環境(失敗しても飼い主が焦らないでいい時間)」が通過点としてあること、知っておいてくださいね。

2024年6月25日

犬のお散歩中、止まってみよう

 「今週末に、水道工事のためにお家の前の道が通行止めになります」

私が玄関を開けると、申し訳なさそうに頭を下げながら話す男性の姿がありました。

我が家の向いの土地で、現在建築中のお家の工事に伴う水道工事です。

 

先月から始まった新築工事。工事が始まったはじめの1週間は、相棒犬が大きなトラックが停車する音に、そわそわして「ワン!(音がするよー)」と知らせにきていましたが、最近は工事の時間になると、定位置のクレートにのそのそと入ると、丸くなってお昼寝(朝寝?)を始めます。家の建築の全行程を見る機会はそうそうない!と最近の私は、工事を実は楽しみにしていました。

 

建築物の工事って、面白いです。土台のコンクリート部分の工程では、私は鉄筋らしい部品が次々に地面に設置されるのを眺めて「コンクリートだけではないんだ」と興味津々でした。次の週、コンクリートが固まり、職人さんたちが、コンクリートを流した型を取り除く様子を、相棒犬の散歩がてら、ちらりと見ました。変な表現ですが、巨大なお菓子作りをみているよう。

 

平らだった土台は、今や立体的なカタチを見せており、土台の周りは水道管を埋めるために掘られている様子です。当たり前ですが、職人さんたちは「今の作業はこれ」「次の作業はこれ」がはっきりわかっているので、作業に迷いがありません。

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ふと、先週お伺いしたお家で「お散歩中に止まってしまう犬」のことで相談でお伺いしたお家のことを思い出しました。「次の行動が決まっているから、次の動作を始められる」ということは、犬との生活にも少し当てはまるんです。

 

ご存じだと思いますが、犬は、私たち人間とは、異なる判断基準を持っています。その1つが「嗅覚」です。お散歩中に立ち止まる犬の様子をこっそり見ると、足は動いていないけれど、鼻が忙しくぴくぴくと動いていることに気づきます。

 

この「鼻」が次の動作の判断基準を探しているだけなら、リードを引っ張ってせかすより、傍で待ってあげた方が、犬は次の場所へと歩き出せます。この鼻の様子に、飼い主さんが気づかずに「次はこっち」「早く早く」と指示が飛んでくるような環境では、お散歩中の犬は気が休まりません。

 

今度は、飼い主さん側の気持ちを見てみましょう。昨日は職場から持ち帰った書類の整理で夜遅くまで仕事していたのに、朝のお散歩はママが担当。早朝、お仕事前にお散歩に連れ出す。子供の朝ごはんだって用意するので、朝はいつだってばたばたしている。そう、愛犬の匂い嗅ぎにずっと付き合っている時間はないの。

「すべての匂い嗅ぎは付き合ってられない」そう犬に教えたい。

 

飼い主さんだって0100で決めているわけではなく、「ここは匂い嗅ぎしてOK」「ここはママのペースで歩く」とメリハリを考えているのです。ただ「早く進んでほしい」気持ちから、匂い嗅ぎを待つ時に、犬から離れて待っていたり、無意識にリードを引っ張りながら急かしていることはあるかもしれません。

 

先の「お散歩中に止まってしまう犬」の話に戻りましょう。
訪問レッスンでお伺いした時、私はママさんが「すでに知っている」ことを、改めてお伝えするか、迷いました。できていない部分は伝えたい、ですが「知っていることを指摘される」って、すごく嫌なことだと私は思うからです。ただ、「知識」と「実行」って小さなズレで大きな違いが生じることがある。だから、小さなコツを1つだけ、お伝えしました。

 

ママさんにお伝えしたのは、ママさんの立ち位置のことだけ。それだけで、立ち止まっていた犬の姿勢がよくなりました。そのコは立ち止まって空気中の匂いを嗅いで、まるで何もなかったかのように、すたすたと歩き出しました。周りに苦手な犬も、苦手な物音もしないのに「安全確認する(立ち止まって匂いを嗅ぐ)」のは、人目線にはちょっぴり不可思議ですが、犬目線では普通の行動の1つです。

 

犬について、知っている「知識」が多いほど「飼い主さん自身の小さな動作」は見落としがちになるのかもしれません。

 

私は、建築現場の監督さながら、全体を見る役目を少しだけ果たせたのかなと感じました。

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余談ですが、お散歩から戻ってから、飼い主さんは、お散歩中に会った人に「犬が嫌々歩いていて、可哀そうね」と言われて、落ち込んだ時の話をされました。犬が立ち止まっている様子をじーっと見ている男性からの一言でした。

犬がゆっくり歩いていたり
犬が立ち止まって鼻をひくひくさせていたり

これは、嫌々歩いているというより、ただそういう時間があるだけ。
リードを引っぱりっぱなしなら、飼い主さんが変えられる部分ですが、単に「そのまま」でいい時間だってある。

その瞬間にたまたま歩いてきた人がかけた一言が、言った本人は何気ない言葉でも、相手を傷付ける。私は「私も自分の犬の散歩のとき、嫌だなと感じたことありますよ」とお伝えしすると、ママさんは目を丸くして驚かれました。

 

犬の訪問レッスンを続けてきて思うのは、「知識」や「技術」だけで解決できることなんて、ほんとうは氷山の片隅にすぎないということ。大切なのは、犬の状況を見て慌てない心構えと、それから犬がいろんな経験を積む「機会を作る」ことだけ。

だから、安全に失敗できる場所を、たくさん作って下さい。いろんなことに興味を持って下さい。きっとそれは、愛犬にとっての「新しい楽しいこと」につながる糸口です。

2024年4月2日

工事現場は楽しいかうるさいか

最近、工事現場に遭遇するとワクワクする、犬のトレーナーの馬場です。

 

家の近くのコンビニが閉店し、ほどなくして店舗が解体されました。地面は平らにされ、さらに地盤を掘る作業をしています。ガソリンスタンドでもできるのかなぁ…と遠くからこっそり工事を眺めるのが非常に楽しい。自治会の駐車場の工事も先月あったばかりで、そこでは地面を平らにする工事を見ました。いろんな車が順番に作業をする様子は、いつまで見ていても飽きませんでした。

 

私自身は家のDIYをちびちびと進めていたのですが、3月に入って道具を使った補修に初めて取り組みました。手始めに直したのは、押し入れの床の張り替え。急ぎで直さなければ困る案件ではないけれど、古いベニヤ板はべこべこしています。相棒犬が押し入れの中で昼寝をしても大丈夫そうには見えますが、もしも床が抜けたら一大事。それでも「いつか直そう…いつか…」と後回してきました。

 

そんなある時ラジオで、家のDIYを楽しく話すパーソナリティの声を聴きました。話自体も面白かったのだけど「DIYの略は、どうなっても(D)いいから(I)やってみる(Y)」のフレーズが耳に残りました。そして、手始めに押し入れの床の破壊をしてみることにしました。

 

相棒犬には、作業する場所から程よく離れた安全な場所に移動してもらい、ベニヤ板をちびちびはがす。以前、工務店の大工さんに1カ所床の張り替えをお願いした時に、横で見せてもらったことがいろいろ役立ちました。

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・床は釘が打てる場所と打てない場所があること(根太と言います)

・ベニヤ板をはめるためには、柱の部分はカットする必要があること

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実は、床の張り替えはシンプルな作業です。

1. 古い床を撤去(釘なども除去!)

2. 新しい床材を床の土台に置けるカタチに切る

3. 新しい床材を置く

4. 釘打ち(今回はビスで留めました)

5. 木くずの掃除

以上。

 

大工さんの作業を横で見ているのと、実際にやってみるのは大違いです。

私は、ビスを工具(インパクトドライバーという道具)で留めるのがさぞかし大変だろうと思っていました。初めて使う道具だったこともあって、道具自体を壊さないかも心配だったし、変な使い方をしたら、床の土台を破壊しちゃうんじゃないかと危惧していました。

 

ですが、実際に大変だったのは、床材のカット。ちょっぴり切っては「まだ床材が柱にぶつかる…」とやり直し。2枚の板を用意するのに、2時間も四苦八苦しました。床材が所定の位置に収まったら、柱の周りには大きな隙間ができてしまいましたが、初の床張り替えとしては上々です!空いた隙間は、破材で隠して、いっちょあがりです。


相棒犬は、用意しておいたお昼寝マットで寝ています。

床撤去の時のどすどすといううるさい音は、子犬の頃なら大騒ぎしていた「刺激」です。少しずつ、いろんな音やいろんな動きを「なんでもないもの」として受け入れるようになった基盤は「ここ(マット)に戻る」という相棒犬にとっての居場所があるからです。

 

少し話がそれてしまいますが、家庭犬に馴れてほしい刺激(言い換えると吠えなどの問題行動につながりやすい刺激)は「音」単体で提示されることは少ないです。「音ぷらす飼い主の動き」がセットになって提示されることが多い。工事やDIY以外の例をあげるなら、「インターフォンの音に対応する飼い主さんの動き」に、慌ててしまう(吠える)ワンコは多いです。


私自身がレッスンでお伺いする時、インターフォンや来客時の過度な興奮(吠えや咬み)の課題がある時、最初は「音だけ」や「飼い主さんの動きだけ」での練習から取り組む提案をします。小さな刺激を単体で提示して、行動と結び付ける取り組みは、途方もなく長い道のりに感じるかもしれませんが、その1つ1つがつながると、必ず実践にも役立てられます。それらをどうつなげていくかの道すじだって1つだけではありません。


 例えば、私はクライアントさんに「おでかけレッスン」や「旅行準備」を取り入れた練習を提案することがあります。もちろん、最初から宿泊や野外のキャンプのような、難しいことには挑戦しません。ですが、飼い主さんと小さな経験を積んだワンコは、受け入れられることの幅が広がります。


最初は「旅行準備?」と首をかしげていた飼い主さんが、できるようになったことの報告や、新しくお友達になったコと撮った写真を送って頂くことが増えました。私自身、何がどう犬にとっての自信につながるのかは、まだまだ未知数だなぁとつくづく思うのです。


 きっと、私が工事現場の車を見てわくわくすることも、今は「犬のトレーニング」とはまったくつながらないけれど、どこかでつながるかもしれません。