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2025年3月13日

ゆっくり食事と。ゆっくり珈琲タイムと。

おはようございます!トレーナーの馬場です。いつもは、家庭犬の室内マナーやお散歩練習、お留守番課題に取り組む飼い主さんとお仕事しています。

私は朝一番で、お湯を沸かして珈琲を淹れる習慣があります。

今朝は少しだけ違うことを考えていました。「あっ、珈琲よりも白湯の方がいいかも…」と迷っていたら、沸かしたお湯が少し冷めました。

私は少し冷めたお湯で、やっぱり珈琲を淹れました。いつもと比べて苦みが少ない珈琲。目を覚ますために無理やり口に押し込んでいた珈琲の代わりに、今朝は5分だけコタツに座って珈琲を飲んでいます。相棒犬は、コタツの布団にもたれかかって寝息を立てています。

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飲み物や食べ物をどういう状況で口にするのかは、犬にすごく大事な生活要素です。

私は食に関して印象に残っている犬がいます。訓練所時代にお世話をしていたジャーマンシェパードの女の子です。ジュリアという名の小柄なシェパードは、1歳前後の育ちざかりのはずが食が細く、よくごはんを残していました。どうやって食べさせたらいいのかで、10代の頃の私や仲間たちは犬舎に行く度に頭を抱えていました。

ジュリアのいる犬舎に何度も足を運び「ちょっとずつでもいいから…」と食事の回数を増やしてみたり。外遊びで少し楽しそうな動きをするようになった頃からは手からなら食べるので「いっそ全部のごはんを手から食べてもいいから」と試してみたり。

私が担当だった時、ごはん量が増えたか…と結果をみると、あまり効果はなかったです。

今考えてみれば、環境を変えて、もう少しでもジュリアが落ち着いていられる場があれば、違っていただろうと冷静に思います。

訓練所の犬舎は、時として騒々しくなります。複数の犬がトレーニングを期待するパンティング(荒い呼吸)が聞こえたり、吠え声も重なれば大音量になります。

今なら「落ち着いて食事を楽しむ場」が犬舎でなければいけないとは、私は考えません。
人がいる場で食べなければいけない!
他の犬がいる場でも落ち着けるコでなければいけない!
トレーニングにフードを使わなければいけない!
今できないことをするためにもっともっとがんばらなければいけない!

そうしたプレッシャーがない場を作れたら、ジュリアはもっと「楽しく」ごはんを食べたに違いありません。ジュリアは防衛訓練には向いていないシェパードとして、一般家庭に引き取られた話をのちに先輩から聞きました。

私はその後、自分自身で訓練業を始め、訪問レッスンをするようになりました。
訓練業を生業にして、15年になります。家庭犬のトレーニングのためにお家にお伺いしていると

「お手入れ(足ふきやブラシ)で咬む」
「リードの着脱時に咬む」
「お散歩が苦手で引っ張ったり吠えたりする」
などの問題の前に、まず取り組みたいのが

「食が細くて体重が増えない…」
「食べてもすぐにお腹を壊す…」
「フードを入れても食べないので置きっぱなし…」など食に関する心配ごとです。

先月からレッスンを開始した5ヶ月のトイプードルの女の子。私が飼い主さんにまずお願いしたのは、ごはんに関する記録です。
朝ごはんの量。朝ごはんの食べ方。
夜ごはんの量。夜ごはんの食べ方。
おやつの内容。食べた場所。おやつの食べ方。

ドライフードは食べたり食べなかったりするので、トッピングするなら用意の段階で。食べなかったから美味しいものを追加するのは控えてもらいました。

さて、愛犬の食事記録を始める前に、飼い主さんに繰り返しお伝えしたことが1つあります。

それは「記録した内容(食べたか食べなかったか)に対して一切評価しないで下さいね」ということ。評価しないというのは、「いい」または「悪い」の判断をその場ではしないということ。

楽しく食べることを目標に記録をつけるのだから「食べなかった…」とその都度落ち込んでしまうと、記録すること自体が嫌になります。その場で評価することは、記録者の負担になってしまう。記録する時に、感情を持ち込まないことこそが大きなコツ。そうすることで、例えば1週間分のデータを集めることができます。

結果に対する評価は、あえて「記録を一旦締め切って」から行います。

「動作(状況を見て手を動かして書く)」と
「評価(データを見て、それについて考える)」を
切り離すことは、最初に馴れるまでは難しいですが、課題の対応策を選ぶ前に、一度やってみてほしいです。2つを切り離すいことで、新しい視点が見つけやすくなるため、犬の食事環境を改善するのに必ず役立ちます。

2025年2月13日

壊れたガスコンロとにらめっこ

 「直ったー!!!」

思わず大きな声を出した飼い主を、横で昼寝していた犬が見上げました。

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こんにちは。トレーナーの馬場です。

普段は愛犬のお散歩課題や、室内マナー、お留守番練習のお手伝いをしています。

先日、相棒犬を連れて家の近くの山に登り、山頂で食べるはずのカップうどんが食べられるかどうかの瀬戸際に立ちました。
他にも、非常食はカバンにたくさん詰めてあるので、困るわけではないけど、寒い日の熱々うどんを期待してもくもくと歩いてきた私は、ガスコンロの火が着かないことに困惑していました。

登山用のガスコンロとは、小さな鍋のお湯を簡単に沸かせる小型のコンロです。私のガスコンロは、着火部分の部品のねじが外れてしまい、小さなねじと、どうくっつくのか不明の部品が、携帯用袋の中に転がっていました。

私は、しばらく部品たちとにらめっこをして「無理だ…」「いやもしかすると…」とパズルに取り組みました。相棒犬は、山頂の芝生部分で寝転ぶと、ぽかぽかの日に目を細めてお昼寝を始める気配です。

冒頭に叫んだ通り、ガスコンロの部品は無事に元の位置に戻り、着火しました。自分で直そうとしていたのにも関わらず、私は直ってびっくりしていました。いつもよりも、カップうどんが美味しく感じたのは、言うまでもありません!

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さて、ガスコンロの修理と、愛犬のトレーニングはさすがに関連性はないだろうと思われたと思います。もちろん関係ありません。犬はガスコンロを使いません。

今日お話ししたいのは、犬のトレーニングには「強化子」と呼ばれる「行動を増やす」要素があり、それは2パターンあるということについてです。

1つ目は「ごほうび」と呼ばれるものの存在。
犬にとって「うれしいもの/楽しいこと」がある行動の後に出てくること。これを専門用語では「正の強化」と呼びます。

もう1つの方は、真逆の要素です。犬にとって「嫌なこと」が行動の後になくなることを指します。これを専門用語では「負の強化」と呼びます。

実は、学習者にとって素早く行動するのは「負の強化」であることさえあります。
山の上での私の行動も

「自分が持ってるガスコンロをまだ捨てたくない」
「食べられるはだった、うどんを食べずに山を降りたくない」
そんな気持ちから、慌てて修理していて、かなり集中して取り組んでいます。

負の強化の例、もういくつか挙げてみましょう。
今まで後回しにしていた歯医者への通院。昨日から急に奥歯が痛みだして、ずっとズキズキしている…。いますぐ診てもらいたいと即座に電話に手を伸ばす。

夜仕事に疲れ果てて、バタバタと夕飯の支度をする。手際よく野菜炒めを作って、お皿に盛りつけた。テーブルに着く前にささっとフライパンも洗ってしまおう。いつもならそんな失敗はしないのに、うっかり金属部分に触れてしまい、悲鳴を上げる。慌てて冷凍庫から氷を取り出し、ひりひりする人差し指の付け根と手のひらを氷水で冷やす。

2つの例は、もっと明らかな「痛み」や「不快感」があったため、それをなくすための行動を選択している場面です。

私たち人間は「負の強化」によって、選択した行動を幾度となく経験しています。

そのため、愛犬も嫌なことがあったら「正しい行動」を選択して「嫌なことを避けることができるはず」とつい思ってしまうのではないでしょうか。

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爪切りが嫌で咬む…(じっとしていたら、すぐに終わるのに)

リードを着ける時に咬む…(じっとしていたら、すぐに楽しいお散歩が始まるのに)

診察時に獣医さんにうーっと唸る(じっとしていたら、痒みに効くお薬処方してもらえるのに)
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犬が「嫌だ!!」と咬んだり唸ったりする状況に気づかない飼い主さんはいないです。
子犬の飼い主さんは
「まだ馴れていないからだ」
「少しずつ馴れたらいいんだ」
と、見守る時間もきっととっています。でも、この「まだできない」がいつまで続くのか…の不安は少しずつ大きくなってくる。


特にお手入れも診察も困ってないワンコを見たり、周りのワンコの話を聞くことで、なおさらそう感じるかもしれません。「うちのコだけが、以前よりも過剰に反応(実際に強く咬む)」と感じたら、飼い主さんが不安に感じるのは当然です。

ここで、1つ「負の強化」について再度考えていただきたいことが2つあります。

1つ目が、「嫌なこと」をなくすための行動が、能動的か受動的であるかの違いです。上記に挙げた「電話をかける」「冷水で冷やす」「ガスコンロの部品を組み立てる」は動作が伴う、言い換えると能動的です。一方で、犬の状況では、私たちがこうしてくれたらいいのに…と思う行動は「じっとする(動かない)」言い換えると受動的であることが依然として多いんです。

2つ目の違いは行動の後の結果を、人は知っているけれど、犬は知らなかったり、誤解している状況があるということです。

人の場合でももちろんすべてが動作が伴うなわけではありません。歯医者の例で言うなら、歯医者の予約をした後は、治療中じっとしていなければなりません。

人だって常に「正しい行動」の結果をしっているわけではありません。歯医者さんの治療の音や薬品の匂いがどんなに苦手でも、自分の歯の痛みを取り除く手段として知っている人なら治療を受けるでしょう。一方で、小学生の子供は、歯が痛くても、自分で歯医者に行くことはせず、親御さんが連れていくでしょう。

火傷の例にしても、生まれて初めて火傷したなら、冷やすのか、塗り薬が必要なのか、病院に行くのか、の行動で迷ったり、行動自体をすぐに選択できないかもしれません。
こちらは「じっとしている(ただ何もしない)」だと、逆に火傷の炎症がひどくなってしまう危険だってあります。

犬が「痛み」や「何が起こるかわからない不安」に向き合う時、大事なのは、犬が「すぐに行動する」ことでも、飼い主さんが「急いで(慌てて)行動する」ことでもないんです。

大事なのは、行動する前に1秒、考える余裕を犬が持てること、もしくは犬が落ち着くように飼い主さんが手伝うことなんです。

”飼い主さんが冷静に決断するための
「一時停止ボタン」を作るお手伝いをさせて下さい!”

今月からお伺いすることになったお家で、そんな説明を口にした時

私は少し前の登山での出来事と、最近通い出した歯医者のことを思い出していました。
私自身が普段「一時停止ボタン」を押し忘れて、バタバタと動いている時がある…
避けることもできた「痛い思い」を何度も繰り返している…

心の中で反省しつつ、再度前を向きました。
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山頂では、カップ麺を食べている飼い主の横で
相棒犬はもう一度目を細めると、お腹によく日が当たる位置に寝なおしました。

2025年1月16日

違和感は「知らないこと」に気づく通り道

 「お赤飯は、炊くよりも蒸して作らなきゃ美味しくできないのよね」

その日、私は相棒犬の散歩でよく行き会うご夫婦と一緒に歩いていました。

 


お祝い事のお赤飯の話を聞いていた時、私はなんの違和感なく聞いていました。その後「蒸す」という言葉に、改めて気づいたのは「お餅も同じなのよね」とその方が続けたから。

 

水を入れて、お鍋で強火、水が沸いたら弱火で「炊く」のがお米。

お赤飯は浸水するけれど、お水を切って、蒸し器で下からくる水蒸気で「蒸す」

白ご飯とお赤飯は作る過程が違うのです。

 

きっと知っている方にとっては、何でもないことで、違和感がなくて普通です。でも、私は知らなかったから「違和感がなかった」んです。

 

こんにちは。トレーナーの馬場です。

普段は、家庭犬のお散歩課題や室内マナー、お留守番練習のお手伝いをする仕事をしています。

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知らなかったら、違和感がない。

これは犬のボディランゲージについても、同じことが言えます。

 

黒目がちな目で飼い主をじっと犬が見つめる時、必ずしも犬が「嬉しい」わけではない。

あくびをしている犬が、必ずしも「眠い」わけではない。

 

犬が身体を掻く動作をする

足先をなめる

舌をちょっと出して口の周りを舐める

ベッドを掘るような動作をする

 

こうした動作は、その状況によっては「カーミングシグナル」、犬が自身を落ち着かせるために無意識にする動作であることがあります。

 

ヒトが緊張したときに髪の毛を触ったり、唇をなめたりするのと似ているかもしれません。ちなみに、先月のインフルエンザのワクチン接種の際に、私はそっぽを向いて目を細めていた記憶があります。

 

私自身の動作がカーミングシグナルかどうかはさておき、愛犬が不安解消の時の動作の話にもどりましょう。「不安解消のための」と捉えずに、「愛犬がよくする仕草」として思い浮かべるなら1つや2つはすぐに挙げられるのではないでしょうか?

 

それらは、「不安サイン」というくくりにしなければ、違和感のない風景なはずで、多くの場合は、特に注目する必要もないかもしれません。

私が取り上げたかったのは、注目する価値がある不安サインもあるからです。

 

例えば、人を見て前足が小躍りしながら小刻みにジャンプ。ヒトが1歩近づくと、跳びながら下がります。一見じゃれているような動作の子犬。この時、犬が伝えたい言葉は何でしょうか?

 

知らなければ気づかない小さなボディランゲージは、いくつもあって、私自身もトレーニング中に「犬たちが見せる言葉」を見誤ったり、見落としたりして「そういえば、さっき…」と後から気づくことがあります。それでも、毎日、小さな仕草を書き留めては、前回の訪問時との違いに目を配っていると、飼い主さんに伝えられることが年々増えてきています。

 

新しい年を迎えると、今年の目標なんてものを掲げてしまいますが、毎年思うことは同じ。もっと犬のボディランゲージを「飼い主さんと共有できる言葉」として見える化していきたいです。

 

耳の位置や動きはどうですか?

目の大きさは?

身体の動きは、どういう時に柔らかいですか?どういう時に硬いですか?

四肢は地面に対してどんな角度でしょう?

しっぽの揺れはゆっくりですか?早いですか?

 

あなたがそれに対してどんな仕草をした時、そのボディランゲージは継続しますか?

それともそのボディランゲージ以外の「動作」を愛犬は選択しますか?

2024年11月26日

ふと浮かぶ疑問は、犬のトレーニングに必須要素

こんにちは。トレーナーの馬場です。

犬のお散歩課題や室内での過ごし方、犬のお留守番課題のお手伝いをしています。

 

みなさんは「AIに聞いたら、答えてくれる質問」って言葉聞いたことありますか?

あまりいい意味では使われていないということを、私は最近まで知りませんでした…()

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「どうして〇〇?」

 

「△△って何?」

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1つの物や事象について「なぜ」や「何?」の疑問形をくっつけるだけの簡単な質問は、ややもすれば子供っぽいと思われがちです。

 

私は会社員時代に「あなた、あまり考えないで質問してるでしょ?」と上司に諭されて、恥ずかしい思いをした経験が多々あります。今でも時々ぼーっと「それは何?」と聞いていて「またやってる()」と長く付き合いのある友人が笑ってくれています。

 

さて、質問についてお話ししたいと思ったのは、パピークラスよりも個別レッスンの方が飼い主さんからはいろんな質問が出るからです。周りの目が多ければ多いほど、子供っぽいと思われるリスクを考えれば当然嫌な気持ちになります。

 

ですが犬のトレーニングに関してだけは、その時浮かんだシンプルな質問が一番大事です。

 

こんなこと聞いていいのかな?

こんなこと質問したら「自分で調べたらいいのに」と思われないかな?

 

そんな心配は無用です。なぜなら、シンプルな質問が浮かぶということこそ、大事だから。

 

「犬が嫌なことや怖いことって何だろう?」

「こんな時にこういう動作をしたけど、本当に怖かったからだろうか?」

 

当たり前と思っていることが、もしかしたら違うかもしれないと気づくことは、人がおおっと感心するような質問をするよりも何倍も大切です。子供っぽい質問を封じたら、疑問に思うこともやめて「当たり前」を更新しないことがあるからです。

 

1つ例を挙げたいです。

愛犬が自分を咬んだ。大きな怪我ではなく、多分もう起こらないと結論づける。

「怖かったんだな」と感じて、嫌なことをしないようにする対応をするとしましょう。でも「あなたが想像する犬が嫌なこと」と「犬が実際に嫌なこと」が違っていたら、同じ事故が起こり得ます。

 

また「怖い」時と「狩猟本能が刺激された」時の動作は見誤られることがあります。小さい子供や赤ちゃんと犬の事故、また素早く走る猫に対する犬の反応は「怖い」ではない点はなんとなくイメージつきますよね。でもたとえ、ゆっくり動くものであっても、特定の音や光、もしくは匂いなどと同時に提示された時には、犬の狩猟本能を刺激していることもあるんです。

 

どうか、犬の行動を見て思った些細な疑問は、口に出してみて下さい。

小さな「あれ、なんでだろう?」は、これからの愛犬との15年の生活との向き合い方や選択肢の幅広さにつながります。

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余談ですが、私の相棒犬がぐーんと体を伸ばしてひなたぼっこをしている時の姿は、猫のようで見ていてほっこりします。自宅で仕事をしている時は、カーテンを開け、日の光が室内に入るようにしていると、太陽の移動に合わせて相棒犬が移動するようで、気づくと違う場所で伸びています。

 

1つ問題があるとすれば、私のパソコンの画面が光を反射してしまい、パソコン作業が非常にしづらいこと。最近は相棒犬よりも早く起きて、まだ静かな早朝に事務作業を終えるようになりました。 

2024年11月19日

愛犬の名前と愛犬の問題行動

こんにちは。犬のトレーナーの馬場です。

普段は、家庭犬のお散歩課題、室内での過ごし方、留守番準備のお手伝いをしています。

 

本日は、子犬時期に一番大事なことは何かを書きたいと思います。

子犬時期に大事なことは、皆さんはなんだと思いますか?

 

トイレを教えること?

甘噛み対策?

ご近所さんと上手に挨拶すること?

 

私は、それらの「行動」を教えるよりもまず、愛犬が「名前」に対してどんな感情を持つか、名前を呼んでくれる飼い主さんの動きをどう捉えるかを一番大事にしたいとお伝えしています。

 

3ヶ月齢の子犬を迎え入れると、何から手をつけていいかわからなくなるほど、生活が忙しくなります。トイレを教えるまでは、掃除三昧の毎日。朝もいつもより早く起きて対策を練る方もいると思います。

 

散歩は楽しかろうと連れ出せば、リードに馴れていない子犬は踏ん張って動かない。

 

オモチャをばらばらに破壊。

オモチャじゃないものもばらばらに破壊。

お腹を壊して慌てて動物病院に駆け込めば、これからお世話になる先生に対してうーっと唸る…。

 

そんな日には、多分誰もが、犬の名前がなんだ!という気持ちになると思います。

ただ、名前がどうして大事なのか、ちょっとだけ私の休日の話にお付き合いください。

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河川敷を相棒犬と歩いていたら、バードウォッチングをしている女性を見かけました。

確かに鳥の声は散歩中にもよく耳にします。私が休みの日の散歩コースにここを選ぶのも、相棒犬がコジュケイを見つける時の仕草が見たいからです。

 

挨拶をしてすれ違うつもりでしたが、女性の方のあまりにも楽しそうな雰囲気に思わず質問が口をついていました。

 

「このあたり、珍しい鳥がいるんですか?」

「珍しい鳥ではないけど、今の時期はアオジ・ジョウビタキ…」

 

女性は、私が聞きなれない鳥の名をすらすらと並べます。肩には双眼鏡をかけています。

「この双眼鏡で、世界が違って見えるんですよ」と女性は熱心に続けました。

 

帰宅してから、かろうじて覚えていた「アオジ」を調べてみました。写真ではスズメに似ています…。もしかしたら、私がこれまでスズメだと思っていた鳥のどれかは「アオジ」だったのかもしれない。

 

写真をスクロールしながら、私は大学時代にスズメのヒナを保護したことを思い出しました。ウエストポーチに入れて、大学構内にまでヒナを持ち運んで給餌。授業中、ウエストポーチの中でヒナがぴぃぴぃと鳴くので、私は教室の端でそわそわしていたと記憶しています。

 

休み時間毎に練り餌を用意するのですが、毎度いい食べっぷりです。家に戻ると部屋の中を少しずつ飛ぶようになって、1ヶ月後ぐらいに飛び立っていきました。当時はヒナの世話で、つきっきりだったのですが、今まですっかり忘れていました。

 

名前って面白いとつくづく思うのは、こんな時です。その名前で何かを調べるきっかけになったり、何かを思い出したり、その時の感情も一緒に引き出すものだからです。あのヒナが「アオジ」だったか「スズメ」だったか、はたまたまったく別の鳥だったかは別として。

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愛犬の名前は、私が電話での相談を受ける時も、パピークラスの参加者にも最初にお聞きしています。飼い主さんは問題行動の相談だけしたいのかもしれない。でも、名前は、問題行動以上に大事なんです。

 

愛犬の名前をつけた由来は何でしょうか?

普段、愛犬の名前を呼ぶのは、拾い食いを叱る時ですか?

それとも、オモチャ遊びに誘う時ですか?